フィッシングサイトで不正に入手した他人のIDやパスワードを使ってネットオークションに架空出品し、落札者から現金をだまし取ったとして、神奈川県警は16日、いずれも住所不定、無職の宍戸卓志(34)、西川宏太(33)の両被告=別の詐欺罪で公判中=を不正アクセス禁止法違反と詐欺容疑などで再逮捕した。
フィッシングは、実在する企業などのサイトを装って偽サイトを開設し、正しいサイトだと思ってアクセスした人にIDやパスワード、暗証番号などを入力させ盗み取る行為。2012年に不正アクセス禁止法が改正され、処罰対象となった。
捜査関係者によると、宍戸容疑者らは14年ごろから約2年間、ヤフーのポータルサイト「ヤフージャパン」を偽装したフィッシングサイトを開設。インターネット上で「女子の下着を販売」などと呼び掛け、購入希望者らを偽サイトに誘導し、ヤフーの会員IDやパスワードなどを入力させた疑いがある。
さらに、入手したIDなどを使って他人になりすまし、インターネットオークションサービス「ヤフーオークション」(ヤフオク)にコンサートチケットを架空出品し、落札した宇都宮市の女性会社員(31)から代金22万円を詐取。札幌市の男性会社員(46)からもパソコンの代金13万8000円をだまし取ったとされる。捜査関係者によると、利用者から高評価を得ている人を選んで出品していた。宍戸容疑者らには約700万円の売り上げがあったという。【国本愛】