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アルバイトにもボーナスを支給する理由とは? 「富士そば」会長が語る、超ホワイトな経営哲学

[2016年11月15日]

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丹会長3

―今の若者に感じることはありますか?

 いいと思うよ。このままで。

―それはどういう理由で?

 そんなに苦労しちゃいけないと思う。僕自身、バカだなと思った。食べるのに苦労はしないけど、やっぱり大変なことは多いから。今の若者は賢いと思うな。適当に食べるお金があって、自分の人生をエンジョイするのはエラいですよ。

―でも、嫌々仕事してる人もいると思います。

丹 それはいかんね。自分にそぐわないことを嫌々する、そんな馬鹿らしいことはない。自分を変えるか、仕事を変えるか。もっとやりがいのあることをやらなきゃ。それが見つかるまでは、自分を探すこと。僕は自分に何が合ってるのか、本当にわからなかった。父に相談したかったけど、早くに死んでしまったしね。

若い頃に八百屋や油屋で丁稚奉公(でっちぼうこう)してた時は、何も面白くなかった。不動産も富士そばも自分の意思でやったから成功できたんだと思う。だから今の若者もやりがいのある仕事を見つけてほしいね。

―今は息子さんに社長を譲られて、世代交替もあると思うんですけど、最後に50年後の富士そばはどうなっていると思いますか?

 それは難しい質問だね。江戸時代は屋台で買える食べ物で、それが普通のそば屋になって、今は立ち食いそばもたくさんできた。僕はそば屋と聞いたら、35%の人が立ち食いそばをイメージしてくれたらいいなと思って、立ち食いそばのレベルを上げる努力をしてきたんです。

―昔に比べれば本当に手軽に安く、しかもおいしく食べられるようになりましたよね。

丹 でも、これがいつまで続くかはわからない。「丹さん、そば屋はいつかスパゲティ屋になるよ」と言う人もいるんだけど、それは間違いだと思うんだよね。スパゲティよりは、そばのほうが慣れ親しむだろうと。だから、あんまり個性を強くしたものはダメだと思うの。飽きられちゃうから。僕が一番不安に思っているのは、そばやうどんよりももっと手軽でおいしいものが開発されること。

―そんなことまで考えられていたんですね。

丹 そうなったら、そっちにいくかもわからないよね。ただ、うちは駅前のいい場所に100店以上確保しているでしょ。これは他の商売でも使えると思うから、違う業種に転換している可能性は考えられる。まぁ、例えそうなったとしても、50年後も残る企業になってほしいね。

●丹道夫(たん・みちお)
ダイタンフード株式会社会長。1935年12月15日生まれ。愛媛県西条市出身。中学卒業後、地元での八百屋、油屋での丁稚奉公に始まり、その後は上京しては失敗して帰郷を繰り返すも、友人と立ち上げた不動産業で成功。1966年に富士そばの前身となる「そば清」を始め、1972年にダイタンフード株式会社を設立して立ち食いそば業に専念。現在はグループ会社8社、国内113店舗、海外8店舗を展開。55歳で演歌の作詞を始め、「丹まさと」の名で作詞家としても活躍している。著書に自身の半生を振り返った『らせん階段一代記』、富士そばの経営学を記した『商いのコツは「儲」という字に隠れている』がある。

(取材・文・撮影(店舗)/田中 宏 撮影(丹会長)/綿谷和智)


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