来島社長が定例記者会見で方針を明らかに
JR西日本の来島達夫社長は16日の定例記者会見で、京都駅(京都市)と三ノ宮駅(神戸市)に昇降式のホーム柵を設置する方針を明らかにした。視覚障害者らがホームから転落する事故が全国で相次いでいるのを受けた対策。工事の時期は未定だが、来島社長は「転落防止にホーム柵は極めて有効で、国や関係自治体と協力しながら精力的に整備を進めたい」と話している。
JR西日本は国の要請に基づき、1日当たり乗降客が10万人以上の14駅に優先してホーム柵を整備する構え。京都は約40万人で2番目、三ノ宮は約24万人で5番目に乗降客が多い(2015年度)。高槻駅(大阪府高槻市)と京橋駅(大阪市)は一部の乗り場で設置済みで、大阪駅(同)も来春には一部ホームで整備する予定だ。
10万人未満の西明石駅(兵庫県明石市)でも整備を検討。乗り換えの利用客や、終着駅になるため乗り過ごした酔客も多く、転落や列車との接触事故が目立つという。
ホームからの転落事故は後を絶たず、10月には近鉄大阪線河内国分駅(大阪府柏原市)で転落した視覚障害者の男性が列車にはねられ死亡した。視覚障害者に限らず飲酒や急病による転落は多いが、コスト面やドアの位置など車両規格の問題から、ホーム柵の設置は全国的に遅れている。【千脇康平】