ぼくは『ダイの大冒険』を読んで育った世代なので三条陸先生と稲田浩司先生のコンビが描く『冒険王ビィト』の復活に心が躍ったものです。
んで、「クロコダインやヒュンケルのようなここぞって時に助太刀してくれる元強敵のポジション」になるだろうと書いたら、以下のようなコメントを頂きました。
おっさんは仲間になったら弱体化の影響が強すぎて元強敵といわれても
?ってなるんだけど
まあ、分からんでもないです。
クロコダインといえば『ダイの大冒険』のカマセ犬の代名詞でもあるし。
仲間になってからのクリコダインはほとんどやられてばかりでしたしね。
しかし!しかしである!
私はあえて反論したい。クロコダインはそこまで雑魚じゃねえだろと。なんかヤムチャやデスマスクと同列に語られることあるけど、いくらなんでもそこまでおっさんは落ちぶれちゃいねーよ!というわけで、クロコダインの風評被害が半端ないのできっちり検証したい。
クロコダインは雑魚なのか?
「ドラゴンの騎士」状態のダイに敗れた後にクロコダインは蘇生液に漬けられていました。ほぼ助かる見込みは無いと言われていましたが奇跡的に復活を遂げるのでした。ヒュンケル戦ではダイ達の絶体絶命に駆けつける!かっこ良いですわ。
ぐわああああ――ッ!!
早速やられました。
とはいえヒュンケルいわく「おまえは先の戦いでダイから受けた傷が完治していないのだ」「そんな状態では鋼鉄の肉体もヒビの入った盾と変わらん」とクロコダインの身体がボロボロの傷だらけで満足に戦闘できないことを指摘されています。
怪我でボロボロだったから仕方ない。うん。
特筆すべきはまだ満足な状態でロクに戦えないにも関わらず、腹に刺されたヒュンケルの剣を力を込めて抜けなくさせて、ダイとポップを苦し15ページにもわたって会話をし続けたことです。怪我が完治してなくてもヒュンケルを完全に足止めしていました。すごいぞクロコダイン!
VSフレイザード編
どう見ても助からんと言われて今度こそ死んでしまうかと思いきやクロコダインは再び復活を遂げます。フレイザード編では魔王軍が総がかりで襲って来た時に颯爽と登場し、圧倒的な力を見せつけるのでした。
クロコダインさんつおい!
ダイが「多勢に無勢だ」と手こずっていた雑魚どもを一瞬で片づけるのでした。「貴様ら雑兵ごときに、この獣王が倒せるかあっ!!」と1コマで蹴散らすクロコダインである。後に雑魚敵にだけは無敵と評されるクロコダイン伝記の最初の1ページと言っていいでしょう。
とはいえ、どんな時も雑魚敵は常に蹴散らすってのはそれはそれで凄いです。
ダイをフレイザードのもとへ行かせ、単独で炎魔塔を破壊するのでした。凄まじい活躍っぷりです。
ちなみに肝心の「VSフレイザード」はまったく役に立ちませんでした。
バラバラになってるフレイザード相手に無暗に斧を振れば「なにバカなことやってんだワニ公が…」とバカにされる始末。魔影軍最強の鎧を纏ったフレイザードには長所のパワー敗けまでしてしまいました。
なにバカなことやってんだワニ公
空虚に向かって斧を振り回し、パワー敗けをしてしまったクロコダインは失態を見せたと言っていいでしょう。とはいえだ。ぶっちゃけフレイザード編はダイ以外のパーティ全員が手も足も出てなかったわけで。
別にクロコダインだけが失態を晒したわけじゃありません。
ダイが「空裂斬」を覚え「アバンストラッシュ」を完成させるための戦いだったので、ダイ以外の全員がフレイザードに何も出来ませんでした。クロコダインだけでなくみんなフレイザードには何も出来なかった。おっさんだけ役立たずだったわけじゃないのでセーフ!(そうなのか?)
VSバラン編
「その男の相手はオレがする!」と現れたクロコダイン。
しかし、ビビって震え出すのであった。案の定ボッコボコにされてしまうのでした。
まあ、流石に「VSバラン」なら相手が悪かったと言い訳するには十分でしょう。
作中でも大魔王バーンを除けば最強候補筆頭の男ですからね。一方的にボコボコにされたけど、バラン戦はクロコダインの強さを引き立てたとも言える結果と言えるのである。冷静に振り返るとクロコダインまじ凄いよ。
・バランを傷つけた
なんといっても竜闘気防御(ドラゴニックオーラ)全開にして全身を防御していたバラン相手に「獣王会心撃」で血を流させたのである。
バカな…私の竜闘気を貫き肉体を傷つけたのか!
無敵の竜闘気防御を貫いて見せたクロコダイン。
しかし、どう見てもクロコダインの「獣王会心撃」で血を流させたのにダイが傷つけたことになってしまいました。「ダイのアバンストラッシュ」→「むううううう!(竜闘気防御)」→「獣王会心撃」→バラン傷を負う…。ダメージ与えたの「獣王会心撃」やろ!クロコダインさんは竜闘気越しのバランに傷を負わせる攻撃力があるのだ。
・クロコダイルはオリハルコンより固い
「鋼鉄の肉体」と評されたクロコダインの身体の強さ。実はオリハルコンより固い可能性があります。足止めに現れ、防御に徹したクロコダインはバランの一撃を手で受け止めます。
信じられん!竜闘気を込めた我が剣の一撃を食い止めるとは…
竜闘気を込めたバランの一撃を止めて見せたクロコダイン。バランも驚愕しています。
しかも、後にバランの真魔剛竜剣はドラゴンの騎士が受け継ぐ伝説の武器で、竜闘気を込めた剣技はオリハルコンすらスパスパ斬る威力だったのです。オリハルコンを軽々切断する一撃を素手で受け止めたのである。クロコダインすごい。
・不死身かおまえは
「VSバラン」戦のハイライトといえば、バランの全力ギガブレイクを二発食らったことでしょう。最終形態のハドラーすら一撃で倒すそうな。バランの全力ギガブレイクに死なずに耐える男は超強い!
不死身かおまえは…!?
「不死身はヒュンケルの代名詞」と謙遜していますが、後のバランの戦闘能力を考えると凄すぎる。全力ギガブレイクを2発出したバランは「ハア…ハア…」と息切れまでするし。
さらに、全力ギガブレイクを食らって回復呪文も受けていないのに竜魔人化したバランと戦う羽目に。普通に動けてるクロコダインさんは本当にスゴイ。心臓付近の腹を手刀で貫かれてもまだ生きる上に喋って驚き役までやっています。
メルルの立てるようになる程度のホイミ一つで再び戦線に復帰します。竜魔人バランの足を掴んでジャイアントスイングをかます。ライデインで丸焼きに。でお、ライデインを食らった後もヒュンケルを上空にぶん投げる余力がありました。凄すぎるぞクロコダイン。
最終ハドラーを一撃で倒せる威力の全力ギガブレイクを食らい、回復無しで戦線に立ち続け、腹を貫かれ、ライデインで焦がされても、ヒュンケルを上空に飛ばす。その間に受けた回復はメルルのホイミだけ。不死身かおまえは…。ディフェンスに定評のあるクロコダインさん!
やられ役ではありましたが、クロコダインの強さを際立たせたバラン戦でありました。後のバランの強さはラスボス級だった事を考えると、クロコダインのディフェンスっぷりは賞賛しかない。
(続くぞい)
コメント
悟空のドラゴンボールで生き返れるネタと同じように、
原作読んでない、もしくは長く読み返してない、ネタの印象が先行してしまった人などからの風評が多いと思う。
クロコダインはむしろ戦闘以外で名シーンが多い。漫画界で一番かっこいいワニといっても過言ではない。
シグマの腕切断した力なら最後までスタメンいけたよなぁ。ハドラー軍との最後の決戦みんな苦戦してたし。
クリコダイン…クリリンとクロコダインを足して二で割ったみたいな感じですね