民間出身初の女性校長になった、剛腕マザー
リクルートのトップ営業、会社社長、そしてどん底も経験
元リクルートのトップ営業ウーマンが、MBA留学、起業を経て、民間出身初の女性校長先生に――。
横浜市立市ヶ尾中学の校長、平川理恵さん(45歳)の経歴を聞くと、「ああ、またリクルートの人が校長にね……」だとか、「なるほどエリートのお話ね」と感じる人も多いのではないだろうか。
正直、筆者も平川さん本人にお会いするまで、「自己陶酔系スーパーウーマンの両立自慢」を聞かされるのではないかとヒヤヒヤしていた。
ところが、実際にお会いした平川さんは、華やかな見た目とは裏腹に、気さく、率直、飾りっけなしの「大阪のおかん」を彷彿とさせる人物だ。
それもそのはず。この人の経歴の裏には、孤軍奮闘で「わが道」を開拓してきた歴史、そして壮絶な挫折体験などがあった。だからなのか、もはや己のキャリアアップには無関心、大まじめに「学校教育で、日本に元気と勇気と活力を取り戻したい」と語る。しかもそれが、ウソくさくない。
全国初の「公立中学校・女性民間人校長」は、どのようにして創られたのか?
トップ営業ウーマンからの転身
平川さんは、正真正銘、「日本一のリクルート営業マン」だった。
「狙っていたわけじゃないけど、目標を250%達成なんてしちゃって。年間4億円は売っていました」
しかもこの成績で、「押し売り」は一度もしたことがないと言うから驚く。