金太郎飴だって、社会には重要な人材と思う私の反論
私は自分の会社で、他企業の面接を手伝う業務や、新入社員の教育研修事業も行っています。
「金太郎飴のような新入社員が多い」…ってぼやく企業が多く、お決まりのセリフになっています。
では新入社員がテレビドラマで話題になった半沢直樹のような「やられたらやり返す倍返し!」と指示通りに動かない新入社員を歓迎するのでしょうか?
半沢直樹はドラマの中でのことであって、あんな風にできたらいいな…とサラリーマンだったら誰でも思うし、実際、社会で実行したら出世できないしクビを覚悟して行うことで、その後、再就職して今までのよな経済力が維持できるのでしょうか?
実社会でできないことだからこそ、ドラマで繰り広げられている解決法に人は魅了されるのです。
社会で自分に正直に生きていくには、想像できないほどの闘う勇気とエネルギーがなければできませんね。
「すばぬけた感性と実行力と問題解決能力がある即戦力になる人材」という、ヒーローのような人材像を社員や部下に求める人ほど、金太郎飴社員すら管理ができず、あなたも金太郎飴なのでは?と思われる人がいます。
「若者が皆ヒーロー社員だったら、あなた管理できないでしょ!」と心の中でよく反論しています。
社会の中で金太郎飴と言われている力も、会社にとって絶対的な必要枠だと私は思っています。
足並み揃えて行う作業だってとても大切な社会の一部。
出る杭は打たれる社会であることを知っているにもかかわらず、「金太郎飴のような新入社員が多い」とぼやくなんて、あまりにも都合良すぎると思うのです。
そんな反論を心に持ちつつも、やはり多くの企業で接する社員はびっくりするほど「金太郎飴」なので、自己矛盾ではありますが、やはり危機感があります。
人と企業のコモディティ化に危機を感じる
みんな就活のために得たのだろうという資格は飛び抜けたものではなく、すべて就活のために噛じったような資格が多く、取得してて当たり前ぐらいに思った方がいいのです。
突出し長期間努力して得た資格が入社試験に限らず社会では評価されることが多く、高学歴の場合は「学校がいいから…という単純理由ではなく、そこに辿り着くまで努力できる人ということの目安になっているだけで、学歴が全てではなく「継続する力」「努力」「問題解決能力」が備わっているであろうと想定しているだけです。
その「継続する努力」が大変なのは、ほとんどの方が経験しているのではないでしょうか。
遊びたいのを堪えて努力した人が報われる時でもあるのです。
そういう努力をしてきた上で求められているのは、「個性」
個性が無いとか元気が無いとかいう大人もいるけど、他人には飛び抜けた才能を求めている人にか限って、自分の子供が人と違うことすると反対するという矛盾があるので、「個性」をなくして育てているのは大人。
その代償として人も企業もコモディティ化していることに、私は危機感を覚えます。
コモディティ化
市場参入時には高付加価値を持っていた商品が、普及段階における後発品との競争のなかで、その機能の優位性や特異性を失い、一般消費財のように定着していくこと。消費者サイドから見ると、「どのメーカーを選んでも大差ない、いつでも手軽に購入できる商品」がコモディティー化された商品ということになる。
多くの企業が低価格競争を強いられる「コモディティー・ヘル」と呼ばれる状態に陥っている。こうした状況を脱するためには、何が必要なのか。ブランド戦略やプレミアム戦略など、独自の「脱コモディティー化」を図ることが、企業の最重要課題と指摘する声が多い。<出典 : 米・評論家のニコラス G.カー「ITは既にコモディティー化しており、もはや戦略的価値を持たない」と主張>
人間もコモディティ化?!金太郎飴のような子供達…心までコモディティ化?
「コモディティ」という概念は経営学の用語なのですが、人や企業の方向性・商品などが、個性を失ってしまって人から見てみればどれも大差のない状態になっていることで、同じことをしていると生き残れない場合があるということです。
企業が経営不振になった時、打開策が見つけられないために、閉鎖や倒産するのがほとんどコモディティ化だと思います。
でも、人の場合はそれぞれ心の中で「自分」を持っていて、企業のように「無(倒産)」にはなりません。
仕事は生きていくために継続していかなければならないことで、我慢や不条理なことばかりですが、自分の「心」だけはコモディティ化されず、自由でありたいと思うのです。
心の自由を得るために他人に迷惑をかけることは、ただ単に「わがまま」なだけですが、自分が気づかないうちに、お友達との付き合いやママ友・勤めている会社・業界などに縛られてしまって、自分の心の価値に蓋をしていないか考えてみてください。
周りの目を気にしすぎてしまって外では金太郎飴になっていたとしても、「自分+α」の「+α」の個性である心の自由を大切に考えることで、意外と会社での立ち位置がわかり、自分の時間を充実させる発想ができるような気がします。
人それぞれ自分は自分…と縛りを解いて「自分+α」
経営では「会社+α」 = 「商品+商品開発」 「現状+発想の転換」 などでコモディティ化の危機を乗り越えられます。
「+α」は物事を考えるときや自分を奮い立たせる時、自分を見失いそうになる時など、ちょこっと意識してみてください。
「自分+α」を考えることであなたの現状を大きく変えることが多いし、「自分+α」であなたの個性は飛躍できると思います。