米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が予想外の勝利を収めたことについて、欧州・アジアの各国はさまざまな反応を見せた。米国の「アジア回帰」を訴えていたヒラリー・クリントン氏(民主党)に対する反感が強かった中国とロシアは、トランプ氏の当選を歓迎するムードだが、クリントン氏の当選を期待していた日本は「パニック」状態に陥った。
中国国営メディア「環球時報」は9日、電子版の緊急社説で、トランプの勝利が米国の政治に大きな衝撃を与えたことを伝え、今回の選挙を「政治反乱」かつ「米国版文化大革命」だと指摘した。環球時報は「米国の主要メディアは中立と客観ということを忘れ、有権者を誤った方向に導いたため、大衆の思いをきちんと反映することができなかった」とも書いた。同紙はトランプ氏の対外政策について「不確実性が最も高い分野」だとして「選挙戦中の発言などから考えると、米中関係は今後、地政学的対決よりも経済的利益をめぐる摩擦に変化するだろう」との見方を示した。
中国のネットユーザーもトランプ氏当選については歓迎一色で、「悪いクリントンよりも、ほら吹きトランプの方がずっとましだ」「新しいパパとしてトランプを迎えることになった日本と韓国をお祝したい」などの書き込みが見られた。
一方で日本の反応は「ショック」そのものだった。フジテレビは「日本が『トランプショック』につつまれている」として「財務省と日本銀行が緊急会合を開いた」と報じた。
菅義偉官房長官はこの日「誰が米国大統領になっても日米はアジアの平和と繁栄のために緊密に協力していく」と強調した。しかし、トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)に反対していることについて問われると「オバマ大統領が(トランプ氏の大統領就任前に)議会承認を得るために全力で取り組むと承知している」と述べた。日本の各メディアは「トランプ氏当選で安倍晋三首相の三つの主要政策が全て試練に直面している」として「米国が在日米軍の駐留費用のさらなる負担を求めて日本を圧迫する可能性が高い」との見方を示した。
今回の選挙期間中、トランプ氏に友好的な反応を示していたロシアは、今後の米露関係がやや改善するのではないかとの期待感を示した。