ええ、ありがたいことに借り入れはないのです。いざというとき、銀行にお世話になれるように、お付き合いでも多少の融資を受けておくことも大事だと聞きますが、まぁ、今のところは借りずに済むなら良いことなのかな、と。
──上場はお考えなのでしょうか。
株式公開すると、私の仕事は「経営」そのものになってしまい、監督業はできなくなると思います。よほどのことがあれば考えますが、現実は大変そうです。失敗した会社の例もありますから、スタジオジブリのように非上場がいいと思っています。
作品を作るのはスタッフ
年2回の社員旅行も実施
──業界関係者の中には、庵野監督が他社の貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)を見て、経営の問題点を即座に把握する様子だったと言う方もいます。会社設立に当たって財務の勉強もされていたと伺いますが、いかがですか。
もともとアニメ制作費の流れについては理解していました。ただ、会社となると、それまで本格的にお金を動かすことまでは見ていなかったので、PLとかBSとか言われてもよく分かりませんでした。
設立当初は2人でしたから、最低限勉強しないと駄目だなと思いました。そこで入門書みたいなもので勉強しました。轟木は「お金は分かりません」という顔でしたし(笑)。
実際、勉強すると、ああなるほど、と。それまでよく分からなかったものが、こういう理屈であったのかと。それまでの制作経験から、違和感はそんなにありませんでした。感覚が理屈になった感じですね。
>>(下)に続く