トランプ相場、理にかなう水準はドル100円前後-マクロ・カレンシー
米大統領選挙での予想外のドナルド・トランプ氏勝利を受けて、主要国通貨で最もパフォーマンスが良かった円は一転、最弱通貨となった。マクロ・カレンシー・グループは円買いの好機が到来したと判断している。
ロンドンを本拠とする同社のマネジングディレクター、マーク・ファリントン氏は、トランプ氏の政策が政治的リスクを高め、安全資産としての円の需要を復活させるため、円は上昇するだろうと予想した。また、最近の米国債価格下落を受けて日本の投資家が円債に回帰するとの見通しも円上昇予想の理由とした。円の対ドル相場の「より理にかなった水準」は100円前後とみている。これは現行水準よりも約8%の円高。ブルームバーグ調査の回答者らの予想中央値では2017年半ばまでに114円に下落すると見込まれている。
ファリントン氏は15日、シドニーでのインタビューで、「円はこれまでのところ金利差というドルのプラス面だけに基づいて取引されており、資産売りのリスクというマイナス面を織り込んでいない。リスクについては株式と一部の新興市場が注目されている」と指摘。その上で「われわれは全てのリスク資産を対象とした一斉売りに転じる地点に極めて近いところにいる。ドル・円相場には激しい調整があるだろう。今は間違った方向に行っており、年末までに反転するはずだ」と語った。
同氏によれば、マクロ・カレンシーのマクロファンドの2015年成績はプラス21%、今年これまでは同10%。
マクロ・カレンシーは円について、対ドルで95ー105円のレンジで推移すると予想しており、トランプ政権下では金相場と共に、主な勝ち組の一角になるだろうとみている。
原題:Yen Rebound to 100 Possible on Trump Risks, Macro Currency Says(抜粋)