「窓を開けたら~港が見~える~♪」
「メーリケーン波止場の~
灯が見える~♪
だ~け~ど問題は~♪私の~家の~♪
こ~の「ボロ窓」よ~♪
そっ、この窓よっ! 木製窓っ!!
窓を開けなきゃメリケン波止場も見えやしないっつのに、このガタピシ窓ったら、この前から全然動きゃしないってのよっ!
ったく! あったまにきちゃったから、ぶっ壊して新しい窓にしよって思うのよ。本当に。
って、言うものの ど~やって壊そうかしら?
ノコギリと金づちとバールさえあれば、私だって出来るかしらねぇ?
まぁ、やってみましょ…
「窓を外せば~♪お部屋が見える~♪
メリケン波止場のぉ~
あ…? あああっ!?
あっ…すみません…
「ちょ、ちょっと誰よアンタ!? 勝手に人の家の二階に上がってんじゃないわよ!」
ごめんなさい… つい、私好みの「ノスタルジーな窓」が見えたもんだから…
いけない事って分かってるんです…。 でも木製窓の雰囲気が大好きで…
ついつい窓の前で
“スッポンポン”になっちゃうんです~!!
あ… あんたそりゃ100%病気だわね…
まぁ、いいわ…! ちょうど人手が欲しかったから手伝って頂戴!!
窓を交換したいから!
「は~い!」
「は~い!」じゃなくて、 服ぐらい着なさいよっ!
「はいっ!!」
先ずは敷居(窓台)を切っちゃって…
「淡谷先生、こんな感じですか?」
そうね、そしたらバールでこじたら簡単に取れるはずね。
「よいしょ!よいしょ!」
バリ…バリバリ…
バリーン!!

「淡谷先生、取れました~(´Д`)!」
上手ね。そしたら後は脆いもんよ。窓の左右の縦の枠も取ってね。
バリッ!バリバリ~!
「淡谷先生、そしたら鴨居も取っちゃいますね~!」
「よいしょ!よいしょ!」
メリメリッ!バリーン!
「先生~、屋根も取っちゃいましたよ~!」
ありがとう~!それじゃ、アルミサッシ付けるから 新しい「出窓の枠」、取り付けてくれる?
はーいっ❤
室内から、レーザーレベルで「垂直」を確認して…
縦枠を固定っ! アルミサッシを取り付けたら見えなくなる“面”から「ビス」で固定っ!!
左右の縦の枠を取り付けるサッシの寸法に合わせて取り付けたら~
レーザーレベルでこうやって確認して
サッシの敷居受けになる「窓台」と上の部材の「まぐさ」を入れてね。もちろん、木って“木表側に反ってる”から 通りも確認してね。
「ハイッ❤」
「窓台」も「まぐさ」も横からビスで固定だから楽ですよね!
まぁ、本当はビスに頼らない仕事したいとこだけど…予算も時間も無いし、後からトタンで巻いちゃうから見た目も問題無いからね。
先生… どうせ私簡単な仕事しか出来ないですからっ❤
「先生、屋根も付けちゃいました(´Д`)!」
(4寸の間柱そのまんまだけど)いい感じね。
それじゃ、アルミサッシ枠付けましょうね。
コンコンコン!
先生、付きました!寸法…ピッタリですね!
そりゃそうよ~!サッシ枠の寸法のプラス1ミリメートルに作ってあったんだから。
今回のサッシって「内付けタイプ」のサッシだからピッタリでないと、収まりがおかしくなるのよね。
「半外タイプ」や「外付けタイプ」だと、ある程度の寸法でいけるんだけど。
今回は、見た目がこっちの方が良いかなって選んだのよね。
私も良いと思いますよ!窓が出窓の枠内に収まるから、シンプルに見えますよね❤
それじゃ、「障子」を入れますね!
わっ!カッコいい~っ!とっても明るくなっちゃいましたねっ(´Д`)❤
本当ね…。ついでに「断熱性能」も前の窓とは比べもんにならないし。
ずっと冬なんて寒かったんだから…
これで遠慮無く…
暖房焚いて、薄着になれるわね~っ!
あらっ! 淡谷先生~!
脱ぎたいんですか?
脱ぎたいっていうか…「脱いでた」のよ。若い頃… お金が無くってね。
青森から東京の学校に「歌手」になるために上京したけど…
食べていけねぇべさ…。
だからワタスは美大でヌードモデルして、なんとか しのいでたんだ。
懐かしい話だけど、こんなして二科展にも出展された作品もあるけ…
あの時代は「世界恐慌」もあったしね…。
「そっか…淡谷先生って“ブルースの女王”って言われてたから、てっきりお金に困ってない人だって思ってました…。」
あらそう? こう見えてけっこう苦労してるのよ。
それと「歌手」をまっとうしてきたわね。
戦時中、軍人さんの慰問で歌った時も「ドレスは禁止!!」って言われてたけど
モンペ履いてブルース歌える?
山のような「始末書」書くことになるんだけど、ちゃんとドレスで歌ったわよ。 会場の軍人さんって明日とも知れない命だから、歌が心にしみるのね…
皆、泣いて聞いていたわ。
今の歌手って「歌屋」か「カス」ばっかりよ!レコード大賞とって、お金!お金!お金~!!よ。
歌の発声からなってないくせに、お金は欲しがるのよね…。
先生って「毒舌」って言われてますけど… そっか…そんな事もあったんですね…。
あのね、それと「着ては貰えぬセーターを、寒さこらえて編んでます…」なんて歌も昔に流行ったけど、そんな未練たらしい生き方を歌うなって話ね。
魂から吹き出してくるのが「歌」だから。
まぁ、流行っちゃうのは歌手のせいじゃ無いけれどもねぇ…
「生き方」か~ そっか、私もどんな覚悟持ってられるんだろ?
女優って賞味期限短いしね…
あら?そうかしら? 歳とったって、おばあちゃんの役だってあるじゃない?
先生… 私のポリシーとして「脱げなくなったらイヤ!」なんです。
女優ですもの…
見る人を「ハッ!」とさせなきゃ
先生が歌で世の中を照らしたなら、私はドラマや写真の中でそういう存在でありたい!
って…、なんだか今 気が付きました~❤
(全くレベルは違えども…
取り替えた「窓」も、住む人を幸せに、
人生を豊かにする助けになってるに違いない…と、 思う今日この頃なのでした…。ちなみに7つの木製窓をアルミサッシに交換しましたよ~(´Д`)❤)
※使用画像について
淡谷のり子(歌手) 黒川智花(女優)より、お借り致しましたm(__)m。
(冒頭の歌は「別れのブルース」です。)
なお、現場写真についても施主様の「お役に立てればどうぞ…」のご厚意より使用させて頂いております(´Д`)❤