パリ協定締約国会合 仏がトランプ次期大統領に協調求める
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すべての国が地球温暖化対策に取り組むことを定めた「パリ協定」の締約国による初めての会合が北アフリカのモロッコで始まり、フランスのオランド大統領が「アメリカがみずから掲げた温暖化対策に取り組むのは義務だ」と述べ、協定からの脱退の意向を示しているトランプ次期大統領に対し、今後も国際社会と協調しながら対策に取り組むよう強く求めました。
「パリ協定」の締約国による初めての会合は、モロッコのマラケシュで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議、「COP22」の会場で日本時間の16日夜遅くから始まり、国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長をはじめ、各国の首脳や閣僚が参加しました。
この中で、去年のCOPで交渉をまとめあげ「パリ協定」を採択に導いたフランスのオランド大統領が演説し、「世界最大の経済大国で温室効果ガスの排出量が世界2位のアメリカが、みずから掲げた温暖化対策に取り組むのは義務であり利益にもなる」と述べ、協定からの脱退の意向を示しているアメリカのトランプ次期大統領に対し、今後も国際社会と協調しながら対策に取り組むよう強く求めました。
そのうえで、「フランスは協定を締結したおよそ100の国の名のもとに断固たる決意でトランプ次期大統領と話し合うことになる」と述べ、フランスが世界を代表してトランプ氏との交渉を進めると強調しました。
締約国会合は、今月18日まで開かれる予定で、トランプ次期大統領の就任によってこれまで交渉をリードしてきたアメリカが後退し世界全体の温暖化対策が停滞するとの懸念が広がるなか、どの国が新たにリーダーシップを取るのかに注目が集まっています。
この中で、去年のCOPで交渉をまとめあげ「パリ協定」を採択に導いたフランスのオランド大統領が演説し、「世界最大の経済大国で温室効果ガスの排出量が世界2位のアメリカが、みずから掲げた温暖化対策に取り組むのは義務であり利益にもなる」と述べ、協定からの脱退の意向を示しているアメリカのトランプ次期大統領に対し、今後も国際社会と協調しながら対策に取り組むよう強く求めました。
そのうえで、「フランスは協定を締結したおよそ100の国の名のもとに断固たる決意でトランプ次期大統領と話し合うことになる」と述べ、フランスが世界を代表してトランプ氏との交渉を進めると強調しました。
締約国会合は、今月18日まで開かれる予定で、トランプ次期大統領の就任によってこれまで交渉をリードしてきたアメリカが後退し世界全体の温暖化対策が停滞するとの懸念が広がるなか、どの国が新たにリーダーシップを取るのかに注目が集まっています。
締約国会合とは
パリ協定の締約国会合は、すべての国が地球温暖化対策に取り組むことを掲げたパリ協定の詳しいルールを決めるための会合です。
アメリカや中国などの温室効果ガスの主要排出国が相次いで協定を締結し、今月4日、パリ協定が早期に発効したことを受けて開かれました。
会合では今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロに抑えるというパリ協定の長期目標に向けて、各国の削減目標をどう引き上げていくのかや、発展途上国への資金支援をどう具体化するのかなど、詳しいルール作りが議論の焦点となる見通しです。
今月18日まで開かれる今回の会合に、締約国として参加できるのは、国連が示した締め切りまでに締結を終えた国に限られ、締結が遅れた日本は会合の決定に異議の申し立てができない「オブザーバー」としての参加にとどまります。
外務省によりますと、協定に参加する197の国と地域のうちの4割にあたるおよそ80か国が締約国として参加するということで、日本の発言力の低下が懸念される中、存在感をどう示すかが課題になっています。
アメリカや中国などの温室効果ガスの主要排出国が相次いで協定を締結し、今月4日、パリ協定が早期に発効したことを受けて開かれました。
会合では今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロに抑えるというパリ協定の長期目標に向けて、各国の削減目標をどう引き上げていくのかや、発展途上国への資金支援をどう具体化するのかなど、詳しいルール作りが議論の焦点となる見通しです。
今月18日まで開かれる今回の会合に、締約国として参加できるのは、国連が示した締め切りまでに締結を終えた国に限られ、締結が遅れた日本は会合の決定に異議の申し立てができない「オブザーバー」としての参加にとどまります。
外務省によりますと、協定に参加する197の国と地域のうちの4割にあたるおよそ80か国が締約国として参加するということで、日本の発言力の低下が懸念される中、存在感をどう示すかが課題になっています。
山本環境相「米抜きは考えられない」
パリ協定の締約国会合に出席した山本環境大臣は記者団に対し、「会合では、発展途上国と先進国の違いはなく、すべての国が熱意をもって温暖化対策に取り組むようになったことが感じられ、感無量だった」と述べました。そのうえで、パリ協定からの脱退の意向を示しているトランプ次期大統領について「アメリカ抜きでは世界の温暖化対策は考えられない」と述べ、世界全体の対策を進める上で、アメリカのリーダーシップは欠かせないという認識を示しました。
国連事務総長 トランプ氏をみずから説得
国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は、「パリ協定」の締約国会合の開催に先立って北アフリカのモロッコで記者会見し、アメリカのトランプ次期大統領について、「世界が抱えるさまざまな問題、特に気候変動の現実を理解する必要があると思う」と述べました。
そのうえで、「直接会って話すことを考えている。事務総長としてではなく、個人として会うつもりで政府や企業からの声だけでなく市民の声も相次げば耳を傾けてくれるはずだ」と述べ、トランプ次期大統領に対し、パリ協定のもとで温暖化対策に引き続き取り組むよう、みずから説得する考えを示しました。
パン事務総長は最後に「パリ協定は全世界がおもいを一つにした約束だ。アメリカの次期大統領という立場から話を聞き、選挙戦で示した考えを見直してほしい」と述べました。
そのうえで、「直接会って話すことを考えている。事務総長としてではなく、個人として会うつもりで政府や企業からの声だけでなく市民の声も相次げば耳を傾けてくれるはずだ」と述べ、トランプ次期大統領に対し、パリ協定のもとで温暖化対策に引き続き取り組むよう、みずから説得する考えを示しました。
パン事務総長は最後に「パリ協定は全世界がおもいを一つにした約束だ。アメリカの次期大統領という立場から話を聞き、選挙戦で示した考えを見直してほしい」と述べました。
途上国には資金支援不可欠
「パリ協定」の締約国会合で、今回の「COP22」の議長国、モロッコの国王は、演説で、「アフリカは特に南の国々で気候変動による影響が年々、深刻になっていて、国によっては存亡に関わる問題になっている。今回の会議がアフリカで開かれたことで、アフリカが直面する深刻な問題の数々に目を向けることにつながる」と述べました。
そのうえで、発展途上国の支援のため、先進国が拠出するとした資金について触れ、「パリ協定を採択するうえでカギとなったもので、先進国には約束を守ってもらいたい」と述べました。
一方、南太平洋のフィジーの代表も途上国が対策を進めるうえで先進国による資金支援は不可欠だとしたうえで、「たとえどの国であってもみずから掲げた温暖化対策をほごにすることは許されない」と述べ、温暖化対策に資金を出さない意向を示しているアメリカのトランプ次期大統領に対し、約束を守るよう求めました。
そのうえで、発展途上国の支援のため、先進国が拠出するとした資金について触れ、「パリ協定を採択するうえでカギとなったもので、先進国には約束を守ってもらいたい」と述べました。
一方、南太平洋のフィジーの代表も途上国が対策を進めるうえで先進国による資金支援は不可欠だとしたうえで、「たとえどの国であってもみずから掲げた温暖化対策をほごにすることは許されない」と述べ、温暖化対策に資金を出さない意向を示しているアメリカのトランプ次期大統領に対し、約束を守るよう求めました。