長岡空襲から70年
「語る。長岡空襲」
あなたの体験を教えてください
那須明 画 「焼夷弾を避け踏み越えて」
那須明 画 「焼夷弾を避け踏み越えて」(長岡戦災資料館所蔵)
県内唯一の大規模戦災都市・長岡は
忘れてはならない記憶を
未来へつなぎます。
風化させない─
当時のことをお聞かせください。

【問】長岡戦災資料館
 TEL36・3269
長岡戦災資料館は長岡空襲の惨禍を伝える資料展示や殉難者の遺影展などを通して、被災体験の真実を広く市民に伝える施設です。

 昭和20年8月1日午後10時30分、B29が焼夷弾(しょういだん)爆撃を開始。長岡は瞬く間に炎に包まれました。2日午前0時10分過ぎまで続いた空襲は市街地の8割を焼け野原にし、1、485人の命を奪いました。

 長岡空襲から70年経ち、長岡戦災資料館の来館者の多くが戦後生まれです。戦禍の悲劇を伝える貴重な財産となっているのが空襲当時の体験談です。
 被災者ご本人はもちろん、「まちなか以外でも被害にあった」「近隣から食糧を持って駆け付けた」「避難してきた人を泊めた」など、どんな話でも構いません。あなたの体験を教えてください。
焼け野原となった市の中心部
焼け野原となった市の中心部 建物は当時の市役所(旧大和の場所)(長岡戦災資料館所蔵)

空襲体験談貴重な記録
 これまでに集めた体験談は、文章で約200件、映像で約70件。体験談集や記念誌などに記録しています。
 空襲体験者は「事実をきちんと伝えなければならない」と辛い気持ちを乗り越えて、私たちに語ってくれています。
空襲体験談は貴重な記録

戦後70年経っても、埋もれた事実はある。 若木 仁 館長
長岡戦災資料館
  若木 仁 館長
どんなに些細(ささい)なことでも構いません
 戦災資料館は長岡空襲を後世に伝える使命があります。空襲を直接見聞きした人の話が聞ける貴重な場所です。しかし、70年の年月が経ち、もう10数年も経つと間接的な話しか聞けなくなります。
 長岡空襲の事実を記録として正確に残し次世代に伝えるためには、できるだけ多くの体験談や空襲にまつわる話を集める必要があります。空襲では多くの人が犠牲になり被災しました。まだお聞きしていない話はたくさんあります。一人ひとりが違う体験で、同じものはありません。70年経っても埋もれている事実はあるはずです。
 戦災資料館には多くの小・中学生が訪れるようになりました。みなさんの体験談を伝えることで、生まれ育った長岡で空襲があったこと、多くの悲劇や先人の苦労があって復興を遂げたことを知って、平和の大切さを考えてもらいたいと思っています。

今泉弥さんと恭子さん
弥さん(左)は千手横町(現・千手3)、
恭子さんは長柄町(現・宮原3)で被災。
昨年5月から体験を話しています
私たちの体験で知ってほしい
空襲のこと。平和のありがたさを。


戦災資料館 運営ボランティア
今泉 弥(わたる)さん
恭子さん

弥さん━空襲当時、私は小学5年生、妻は就学前の5歳。私たちにとって空襲の体験は多くの人が体験した当たり前のことで自分がわざわざ話さなくてもいいんじゃないかと思っていました。
恭子さん━二人でいても空襲の話をすることもなかったんですが、たまたま一緒に資料館を訪れる機会がありました。懐かしむと言ったらおかしいですが…思い出しましたね。
弥さん━体験を語る人が少なくなっていることも知ったんです。二人とも「経験をそのまま話せばいい」という気持ちになりました。
恭子さん━私たちの体験を話すことで、子どもたちには戦災は物語ではなく本当に長岡にあった事実なんだということ、生きたくても生きられなかった大勢の犠牲者がいたことを知ってもらいたい。そして今の平和が大切でずっと続くようにと伝えたいですね。
弥さん━戦後は衣食住が不自由でした。親は大変だったと私も親になってわかりました。今の子どもたちには物が豊富であるということはなかなか理解できないことでしょう。物が無い体験をしたからこそありがたみがわかります。安定した生活をしていられることが何よりも幸せなんだということを感じてほしいですね。

今年度は
市内47校
小・中学生が
来館
「現実のことだったんだ」
実体験の言葉は
子どもたちの
思いを強くします
山谷恒雄さんが語る空襲体験と平和の大切さを真剣に聞く日越小学校6年生
▲運営ボランティアの山谷恒雄さんが語る空襲体験と平和の大切さを真剣に聞く日越小学校6年生(11月6日) 【児童の感想】「話を聞いて改めて戦争は恐ろしくやってはならないと強く感じました。空襲を体験した人が思い出すだけで悲しいのに、次の世代に伝えようとしていることがすごいと思いました」

長岡空襲から70年 平和祈念事業
7月5日(日)〜10日(金)
 ◯長岡空襲特別展の開催
   ※初日に長岡空襲殉難者追慕の集い
8月1日(土)
 ◯長岡市平和祈念式典の開催
 ◯ながおか平和フォーラムの開催

長岡戦災資料館
TEL36・3269 FAX36・3335
開館時間
午前9時〜午後6時
休 館 日
毎週月曜日(祝日にあたるときはその翌日)、12月30日〜1月2日
※7月・8月は無休
入 館 料
無料
所 在 地
城内町2丁目6番地17森山ビル
※駐車場はありません

中学生平和願って熱演
3/20
【金】
「想い、未来へ」上演
意気込みを語る平和学習推進委員のみなさん
▲「長岡花火の見方が変わるくらい、見る人の心を動かす劇にします」と意気込みを語る平和学習推進委員のみなさん
4回目の今年は、戦後70年の復興がテーマ。4人の市民の証言を元に、2年生149人全員が脚本・演出・演技・道具・音響・証言映像撮影など全てを行います。エンディングは感動のオリジナル曲「誓い」を合唱。
第1幕 母校の精神を〜南中学校〜

 (証言者・今井清さん)
第2幕 長岡の魂を〜長岡花火〜
 (証言者・嘉瀬誠次さん)
第3幕 市民の願いを〜平和の森公園〜(証言者・藤田芳雄さん)
第4幕 あの日の記憶を〜戦災資料館〜(証言者・古田島吉輝さん)
【時】午後1時30分〜3時 【場】市立劇場 
入場整理券を送ります(残席は当日開放) 【申】3月11日(水)までに往復はがきの往信の裏に、住所、氏名、電話番号、希望枚数、返信の表に自分の宛先を記入して〒940─0081南町2の1の1 南中学校(【問】TEL32・1577)へ 

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