【北京=原田逸策】中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した10月末の外貨準備高は前月末より457億ドル少ない3兆1206億ドル(約326兆円)だった。前月比の減少は4カ月連続で、外貨準備高は2011年3月以来の低水準。米ドルの値上がりや人民元を買い支える為替介入などが背景にありそうだ。
減少幅は9月の2.4倍に急拡大し、人民元が急落した1月(994億ドル)以来の高水準だった。10月はドルがユーロや円に対して上昇し、人民銀が外貨準備として保有するユーロ建てや円建ての資産がドル換算で目減りしたのが一因だ。
減少のもう一つの原因は人民銀の為替介入。10月は人民元も対ドルで下落したが、上旬から中旬にかけては人民銀も買い支えに動かなかった。ただ下旬には元買い・ドル売りの為替介入を増やした形跡があり、10月末時点の外貨準備の減少につながった可能性がある。
一方、国際通貨基金(IMF)の特別通貨引き出し権(SDR)建てでみると、外貨準備高は9月末よりわずかに増えた。SDRはドル、ユーロ、元など複数の通貨で構成し、ドル換算で目減りする影響を受けにくいためとみられる。