滋賀知事、国予測に疑問 北陸新幹線 小浜京都ルート
国土交通省が公表した北陸新幹線敦賀以西3ルート案の調査結果について、滋賀県の三日月大造知事は15日の定例会見で、JR西日本が提案する小浜京都ルートの需要予測に当たる輸送密度が「国がかつて示した数値と3倍近い開きがある」と疑問を呈した。
県土木交通部は「輸送密度の高い設定によって、小浜京都の費用対効果が高めに出ている」とみる。
国交省の調査結果では、小浜京都ルートの敦賀-大阪間の輸送密度(1日1キロ当たりの平均輸送人員)を約4万1100人とした。輸送密度は費用対効果を算定する根拠の一つで、同調査で小浜京都ルートの費用対効果は1・1となり、2・2の米原ルートに次いで高かった。
一方、県が9月に公表した独自試算では、小浜京都ルートの同区間の輸送密度を約2万6500人と設定。同ルートの費用対効果は0・54で、米原ルートは1・60だった。
輸送密度の設定に当たり、県は2012年4月に国交省交通政策審議会整備新幹線小委員会で示された約1万4600人をベースに需要の増加を上積みした。それでも、今回の国交省調査が根拠にした輸送密度は県設定の1・5倍、12年に国が示した数値の2・8倍の開きがあった。
三日月知事は、今回の国交省調査でも県が推す米原ルートの優位性が示されたとしつつ、「政府与党の議論に主体的に参加し、必要なデータの説明を求めていく」とした。
【 2016年11月15日 22時00分 】