学校の煙突にアスベスト 給食の提供中止など影響

学校の煙突にアスベスト 給食の提供中止など影響
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札幌市内の学校の煙突に、アスベストを含んだ断熱材が使われているのが相次いで見つかり、一時、1万人以上の子どもに調理した給食が提供されない事態となりましたが、新たに函館市の小中学校でもアスベストを含んだ断熱材が見つかり、15日、16の小中学校でパンなどの簡易な給食にしたり、午前中で授業を打ち切ったりする措置が取られました。
札幌市では、学校の調理室に設置された煙突の内部にアスベストを含んだ断熱材を使用しているのが相次いで見つかり、先月から一部の学校で調理した給食の提供を中止しています。
一時は、最大で30の小中学校のおよそ1万2800人が影響を受ける事態となり、ほかの学校から給食の提供を受けるなどして順次、通常どおりの給食を再開しています。

こうした中、今度は函館市の6つの小中学校でも、給食調理用のボイラーの煙突内でアスベストを含んだ断熱材が剥がれ落ちているのが確認されました。
これを受け、6校と、これらの学校から給食が配達されている10校の合わせて16校で、15日から当分の間、調理した給食の提供が中止となりました。

影響を受ける児童・生徒はおよそ3000人で、5校についてはパンなどの簡易な給食が提供されましたが、手配が間に合わない11校については、午前中で授業を打ち切りました。

簡易な給食となった小学校ではパンと牛乳、それに、ぶどうゼリーなどの冷たい給食になり、子どもたちは、パンを少しずつちぎってかみしめ、10分足らずで食べ終えていました。

小学校の校長は「きょうの給食は冷たいものばかりで量としても足りていないように思います。断熱材が一部落下していることは、きのう連絡を受けましたが、突然こういうことになって残念に思います」と話していました。

函館市の教育委員会は今後、アスベストの飛散を防ぐ方法を検討したうえで、できるだけ早く対策の工事に取りかかりたいとしています。通常の給食の再開については、工事の終了を待たず、別の学校の調理施設から配達できないか、調整することにしています。

札幌市 国の調査依頼に対応せず

学校の施設でのアスベストを含んだ断熱材の使用については、文部科学省が平成26年と、ことし8月の2度にわたり、全国の自治体の教育委員会に調査を求めていましたが、札幌市は調査をしないまま、「問題はない」と報告していました。

その後、札幌市内の公共施設でアスベストを含んだ断熱材が使われていることがわかり、改めて学校の施設で調査を行った結果、先月になって学校の煙突にアスベストを含んだ断熱材が使われていることが判明したものです。

一時、1万人以上の子どもに通常の給食が提供されない異例の事態となり、今月2日には札幌市の学校長に対する説明会が開かれて、長岡豊彦教育長が「こどもたちをはじめ、保護者の皆様、それに学校現場に大変ご迷惑をかけました。国の調査依頼に適正に対応せず、大変申し訳ありませんでした」と陳謝しました。

事態を重く見た文部科学省は、各都道府県の教育委員会などに対し、8月に要請した調査が適正に行なわれていたかどうか、改めて確認するよう通知しています。

北海道教育委員会は、各市町村に調査の確認を求めていて、私立の学校などに対しても、煙突内部の断熱材などにアスベストが使われていないか改めて確認するよう求めています。