佐川印刷(京都府向日市)の財務担当だった元役員が子会社の資金約90億円を不正流用したとされる事件で、京都地検は15日、電子計算機使用詐欺の疑いで、フィリピンから強制送還された元役員湯浅敬二容疑者(63)=京都市右京区嵯峨石ケ坪町=と元社員宮口孝容疑者(63)=亀岡市篠町広田=を逮捕した。
逮捕容疑は共謀し、2014年9月24日、佐川印刷の子会社「エスピータック」(亀岡市)の口座から、インターネットバンキングを介し不正に4億円を引き出し、だまし取った疑い。
佐川印刷の説明では、07~14年12月ごろ、70回近くにわたって計約90億円が私的流用されたという。宮口容疑者は当時、湯浅容疑者の部下だった。
地検は2人の認否を明らかにしていない。
湯浅容疑者に接見した弁護士によると、「資金の投資は(佐川印刷の)会長の指示でやった。プロジェクトの概要も説明していた」と、無実を主張しているという。
湯浅容疑者は昨年1月以降、取締役を辞任し、東南アジアへ渡航してから行方が分からなくなっていた。京都地検は同年6月に刑事告訴を受理し、同容疑で逮捕状を取っていた。今年10月、不法滞在容疑でフィリピン当局に逮捕された。
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