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古代ユダヤ律法では、全会一致で可決された決議は無効であるという。なぜならば人間が全員が同じ考えをもつことはありえないからである。つまり全会一致は作為であるからだ。
曹洞宗宗議会はいつも全会一致である。アメとムチで議員を去勢し、議員の見解を「不穏当」として削除を平気で求めたり、はては舞台裏に呼び出して恫喝したりするから結果そうなるのである。これはもはや民主主義とは言えない。一部の権力者が議会を崩壊させているのだ。
議会を本来の姿に戻さなければならない。
どこからか「反論」が聞こえてきそうだ。「和をもって貴し」と。全会一致こそ理想的な姿なのだと。おそらく聖徳太子を連想しているのだろうが、十七条の憲法をよく読んだことのない批判である。
一曰。以和為貴。無忤為宗。人皆有黨。亦少達者。是以或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦。諧於論事。則事理自通。何事不成。(憲法十七条の一)
【訳】 一、うちとけ和らぐことを大事にし、背き逆らうことがないよう心がけよ。人はみな徒党を組み、道理をわきまえる者は少ない。だから、ある者は君主や父にしたがわず、隣近所と仲違いをおこす。しかし、上下の者が仲よくし、執われの心をはなれて話し合うことができるならば、道理が自然と通り、何事も成就しないことはない。
要するに権力者に従えということであって、これは民主主義からほど遠い封建主義や父権主義なのである。「智慧」を尊重する仏教者たるものの特に留意すべき点である。
「和」が強調されるときは、必ず背景に「逆らうな」という刃が光っていることを忘れてはならない。 |
No.265 2007/04/02(Mon) 17:35:28
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