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「合掌運動を提唱す」
・・吾等がここに大に叫ばんとするのは、「東亜共栄圏の建設は先ず合掌から」ということである。
今や我が国は、百難を排除して大東亜戦争を完遂し、十億民族(中国:地の声注)をして英米の搾取と桎梏より解放せしめ、この菩薩の大願行とも云うべき使命達成に邁進せねばならぬ。而して大東亜共栄圏確立の根底を何処に求むべきかというに、それは宗教、殊に仏教に求めねばならぬ。しかもこれを最も端的に現したのが、即ちこの合掌である。
東亜共栄圏内の国々は、日本・満洲・支那をはじめ、仏印・タイ・ビルマ・蘭印等、悉くが仏教国であり、合掌の国である。これ等の国々が有無相通じ相協力する。東亜共栄圏建設の所以はここにあること勿論なるが、それを実現する為には、先ずお互いの心を通じ合うことが肝要である。幸いにも宗教を同じくして居る我等は、我等仏教徒の信仰の象徴たる合掌によって、堅く心と心を結び付ける様努力することが、この際取るべき最も賢明にして妥当なる行為であると確信する。
この昭和十七年からは、早天起床、洗面先ず、皇居に向かって合掌し、朝夕祖先の霊前に向かっての合掌は勿論のこと、人と対する時の礼儀にも、特に食事の前後には必ず合掌し、且つ食前には必ず五観の偈を読誦し、或は念誦する様にしたい。
最後に仏教の根本教義である「般若心経」の精神に徹し、衆生救苦の願行成就の偈を誦え、且つその意味を掲げ、以って国難突破、時難克服の途に供すると共に、大東亜百年の平和を確立するの覚悟を新たにし度いと思う。
『羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶』 (訳)さあ行こうよ行こうよ、あの勝れた所へ行こうよ。あの勝れた所へ、一人も残さず皆悉く行こうよ。そして仏の悟りを成就しよう。
(「大東亜共栄圏の建設と合掌運動の提唱」『大法輪』昭和17年新年号トップ見開き)
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侵略戦争と仏教を結びつける大罪を犯した仏教雑誌『大法輪』。これでは仏教者はみな戦犯ということになる。 |
No.533 2008/02/01(Fri) 06:54:56
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