９７歳上人が運転免許返納　集団登校事故に「心痛め」

運転免許証を返納し、神奈川県警藤沢署の加藤秀雄署長（左）から運転経歴証明書のレプリカを受け取る他阿真円上人 Photo By 共同

　横浜市で８７歳の男の軽トラックが集団登校中の児童の列に突っ込んだ事故に心を痛めたとして、一遍上人から数えて７４代目の時宗法主に当たる他阿真円上人（９７）が１５日、神奈川県警藤沢署を訪れ、運転免許証の返納式に臨んだ。

　上人は加藤秀雄署長に運転免許を直接返納し、その後、署員や参加した神奈川県藤沢市内の高齢者に交通安全について講話。「昔は簡単にできたことが、年を取るにつれてできなくなる。自分の健康状態は把握しなければならない」と述べた。

　時宗総本山の遊行寺（藤沢市）によると、上人は今回の事故を知り、加齢による判断の遅れなどで思わぬ事故を起こしかねないと痛感。「自ら免許を返すことで高齢者が返納するきっかけにしたい」と話している。

　上人は１９５９年に運転免許を取得。数年前までは車を運転しており、健康維持のため、毎日８千歩を目標に境内の裏山を散歩していた。現在も頻繁に外出し、町の人々と交流している。