「クソ上司」問題とならぶ日本社会の大問題、「クソ顧客」問題について。
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とあるクソ顧客の事例。
これは、ぼくがサラリーマンをやめて独立した直後の話。
関係者の方に迷惑がかかるかもしれないので、ちょっと濁してお伝えします。
当時、とある大手企業のマーケティングを手伝っておりました。ぼくは話の流れで「フェイスブックページの戦略策定」をやることになりました。
この仕事、クライアントとは直接やりとりしておらず、途中に電通的な何か(広告代理店)が入っています。
……ご想像の通り、これがまたひどい仕事になるわけですよ。
まずは、「顔合わせ」という名の無意味な打ち合わせ。
大のおとなががん首並べて、何も発言しない。佐藤可士和の打ち合わせ本を読んでくれ!
厳しい言い方ですが、しゃべらないのであれば、打ち合わせに参加するべきではないとすら僕は思っています。発言しないなら、出てこないほうがいい。
というのも、黙っている人は、本人にその気がなかったとしても、打ち合わせの場に「負のオーラ」を漂わせてしまうのです。いわば「黙るというパワー」が出てしまっている。
もちろん末端クリエイターであるぼくには発言機会はありません。なので普通に会議中にブログ書いてました。この時点で撤退するべきだった……。
仕事が開始するや否や、理不尽な指示が電通的な何かから飛んできます。主にスケジュールが腐ってましたね。
「明日の朝までにFbページの企画書出してください(金曜夕方)」
「3ヶ月分のレポートをA4一枚にまとめてくれますか?明日までに(前日夕方)」
「ロゴデザインの案を4つほど作ってくれませんか?明日までに(前日夕方)」
などなど。
何考えてるんだこいつら……と呆然。つか、ぼくデザイナーじゃないからロゴなんて作れないっすよ。そもそもいろいろ勘違いしてる……?
最低限の報酬をいただいて、ソッコードロップアウトしました。このとき、「客を選ぶ」ということの重要性に気づいたわけですね。
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クソ顧客ループ。
この場合、ぼくにとって「電通的な何か」が「クソ顧客」にあたります。
「お金を払えば働いてくれる、使い捨ての駒」くらいにしか見てないんでしょうね〜。ピラミッドの奴隷の方が労働環境マシだったんじゃないかな。
しかし、元を正せば、最上段の「クライアント」がもっとも「クソ顧客」度合いが高いわけです。
擁護しておきますが、その意味で「電通的な何か」は気の毒な存在です。
顧客とクリエイターの板ばさみ。
上からは詰められ、下からは文句を言われ。
へいへいと言うことを聞けば、クソ顧客の要求はさらに悪化。下からの反発も強くなる。
あぁ、なんてクリエイティブな仕事なんでしょう。ザ・中間管理職!
負のループを断ち切れ。
ぼくらクリエイターが電通的な何かに期待したいのは、「クソ顧客のループを生み出さず、根元から絶つ」ことです。
『電通さんなんだから、数字を出せるでしょう。どうして出せないの?改善したレポートを出してくださいよ』。
はいはいとひれ伏すからダメなんですよ。
「いやいや、ネット広告というのは厳しくて、今の予算だとご要望に応じることはできません。ネット広告に関してはうちを切っていただくか、予算を増やしていただくしかありません。」
と、素直にいえばいいじゃないですか。そっちの方がみんな幸せになりますよ。
あなたたちも、その下のクリエイターも、顧客の奴隷じゃないんです。
人間的な労働環境を作ることも、重要な責務です。
それを理解していないから、いつまでもブラック労働がまかり通るんですよ。上で止めてもらわないと。
そしてそれは、顧客のためにも、業界のためにもなりますよ。
無理してがんばってしまうから、効率が悪いままで、イノベーションも起きないのです。
理不尽に顧客にノーを突きつける会社が儲かる。
話を広げれば、これからは「理不尽な顧客にノーを突きつける」会社が儲かる時代になるとも思います。
その意味で、「お客様は神様です」はもう古い。
これからは「お客様と一緒にものづくりをしていく」んです。
だから、ぼくらはお客様を選ばないといけない。
いいものを作りたければ、信頼できる、尊敬できる人を顧客にしましょう。
無論、あなたが尊敬に足る人物であることは前提ですよ。
そうして環境を整え、世の中に価値をもたらすものを創造していきましょう。
機械にできることは機械に任せればいいんです。
会社のために、仲間のために、社会のために、顧客を選びましょう。
高知の山奥からお届けしました。
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