筑波大、「アンダーアーマー」日本総代理店ドームと包括的パートナーシップ契約
筑波大(茨城県つくば市、永田恭介学長)と米スポーツ用品大手「アンダーアーマー」の日本総代理店ドーム(東京・有明、安田秀一社長)が15日、都内でスポーツを通じて学校運営などを強化する包括的パートナーシップ契約を締結した。永田学長は記者会見で「社会は学校スポーツから社会スポーツという考え方になっている。スポーツ価値を社会に還元していきたい。人を育てる体育の価値を見直していきます」と抱負を述べた。
安田社長は部活動の現状について「日本の体育会は時代錯誤のおかしな組織になっています。現状は奇妙な慣習だらけで坊主があり、先輩が威張っている。それが美しい姿として美化されており、軍隊式教育の名残そのもの」と指摘。「安全、健全、任意団体からの脱却…。より良い国造りができれば良いと思っています」と意気込みを見せた。ドームは4月に私立関東学院大(横浜市)と提携しているが、国立大では初めての契約締結となる。
今後は筑波大とドームで米テンプル大学と連携し、大学スポーツに関する共同研究を行う。体育局の責任者にもインタビューをするなどして、来年3月に最終報告を行う予定。大学スポーツに関する健康リスク、法的リスク、財務リスクなどの管理の仕方、統括する体育局の設置など組織運営の研究なども行う。
会見では、筑波大の新しいエンブレムや体育会のユニホームも発表した。大学のカラーは「フューチャーブルー(つくばブルー)」で統一した。採用される部活動は、アメリカンフットボール部、硬式野球部、女子バスケットボール部、男女ハンドボール部、ラグビー部、男女ラクロス部の計8チーム。
2020年東京五輪・パラリンピックを前に、政府ではスポーツ市場の拡大など産業化に向けた取り組みが始まっている。大学スポーツでは、ガバナンスの向上などを目的に日本版NCAA(全米大学体育協会)の創設に向けて検討を進めている。