ジュネーブ=松尾一郎
2016年11月15日11時32分
1986年に大事故を起こしたウクライナ北部のチェルノブイリ原発4号炉の「石棺」を新しいドーム形構造物で覆う作業が14日、始まった。計画のまとめ役の欧州復興開発銀行(EBRD)などが発表した。事故後30年をへて、事故処理は最終段階に入った。
このドームは、長さ162メートル、高さ108メートル、アーチ間の幅257メートル、重さ3万6千トンの巨大なかまぼこ形の金属製構造物で、今年、石棺の隣で完成した。
EBRDによると、この日、ドームを石棺の上に覆いかぶせるように327メートル横に移動させる作業を開始。計5日間、計約40時間かけて、今月29日の記念式典で完了させる見込み。
移動完了後もすき間を埋める密封作業が来春まで続く。完工すれば、老朽化が進む「石棺」を最低100年程度、密封・管理する。ただ、完全解体による廃炉のめどはたっていない。(ジュネーブ=松尾一郎)
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