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【大相撲】

豪栄道 連勝、高安を一蹴

2016年11月15日 紙面から

豪栄道が突き落としで高安(手前)を破る=福岡国際センターで

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◇九州場所<2日目> (14日・福岡国際センター)

 初の綱とりに挑む大関豪栄道(30)=境川=は大関昇進の懸かる関脇高安(26)=田子ノ浦=を突き落とし、2連勝とした。高安は1勝1敗。3横綱は安泰。白鵬(31)=宮城野=は碧山(30)=春日野=を引き落として2連勝で、史上3人目の通算1000勝にあと1勝とした。かど番の照ノ富士(24)=伊勢ケ浜=は遠藤(26)=追手風=に寄り切られて2連敗。

 仁王立ちの豪栄道が、覚悟や貫禄の違いを示すように、土俵上でへたり込んだ高安の背中に手を置いた。1秒ほどの電光石火の決着。取組後の支度部屋では「(高安の足が)滑ったんちゃう?」と逆取材する余裕も見せた。

 これまでの対戦成績は7勝12敗とリードを許し、秋場所では勝ったものの相手の踏み込みを嫌がるように2度3度と引いた。そんな難敵との立ち合い。相手が気合を持て余すように突っかけて「待った」。それでも集中力を切らさず低く当たり、左で強引にまわしを狙った高安が前のめりになったところを、すかさず突き落とした。

 八角理事長(元横綱北勝海)の第一声は「圧力勝ちよ」。低くグッと押し込む立ち合いを絶賛して「残られても、いい形で右四つになれる」と切り札を温存している綱とり大関の強さを評した。そんな評価に応じるように、本人も「当たりが良くて、バランスを崩せた」と振り返った。

 秋場所の優勝直後から綱とりは意識せず平常心を強調してきたが、九州の主役を担う心構えは十分だ。満員御礼が途切れたこの日も「1日1番で結果的に、お客さんが入ってくれればうれしい」と自覚を示した。

 九州場所の公式パンフレットに続き、場所直前に発売された漫画雑誌「ビッグコミック」(小学館)の最新号でも、独特のイラストで表紙を飾った。場所の“顔”にも「一生に1回やから」と笑みがこぼれ、まんざらでもない。

 同誌の表紙には今年、琴奨菊が初優勝後の春場所中に登場。綱を逃した。不気味なジンクスを、豪栄道が立ち合いと右四つを武器に突破してみせる。 (志村拓)

 

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