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【首都スポ】

関東大学サッカー MVPは明大の主将でGKの服部 ベスト11も同時受賞

2016年11月14日 紙面から

後半、PKを止める明大のGK服部一輝=味の素フィールド西が丘で(河口貞史撮影)

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◇最終節最終日

 第90回関東大学サッカーリーグ(東京中日スポーツ後援)は13日、東京都北区の味の素フィールド西が丘で最終節最終日の1部1試合を行い、第18節に4度目の優勝を決めていた明大が筑波大と1−1で引き分けた。今季1部に復帰した筑波大は2位。リーグMVPは明大のGK服部一輝主将(4年・札幌大谷)、1部で14ゴールを挙げた日体大MF高井和馬(4年・千葉SCユース)が得点王に輝いた。1部上位校(最大7)が出場する全日本大学選手権(インカレ)は関東各地で来月7日に開幕、18日に決勝が行われる。

 リーグ最高の栄誉、MVPとベストイレブンのとダブル受賞に、自然と笑みがはじけた。17試合に出場し、リーグ最少失点(22)の守備陣をまとめた明大のキャプテン、GKの服部だ。

 「(けがで後半戦開幕から)5試合欠場しましたし、それでもいいのかなっていう思いもありました。でも、それだけの影響力をチーム、関東大学サッカー(界)に与えられたのなら、いいと思います」

 個人タイトルの獲得はGKを始める前、FWからセンターバックまでこなしていた小学生の時以来。「小4で得点王でした、ハハハ!! 杉並区の大会で4試合で10得点以上、1試合で6点とかありました」と周囲の爆笑を誘った。

 栗田大輔監督が「ピッチ内では一番冷静で、コーチングに強弱があり、(試合の)流れをつくってくれた」と評する守護神が心掛けていることは、褒めること。「僕自身、ネガティブなことを言われても、いいふうには傾かないですから。うまくゲームに入れていない選手には、誰でもできるようなプレーでも褒めたりします」。一人一人に気を配り、心が前向きになるように声を掛ける。MF柴戸海(3年・市船橋)は「ピッチ外でミーティングを増やしたり、学生主体ということを体現してくれました。すごいです」とうなずいた。

 残る大会は昨年準決勝で敗れたインカレ。リーグ戦、総理大臣杯との3冠なら、関東勢初の快挙だ。「3冠目を取らないと、気持ちよく終われないと思っています。でも、目の前の試合だけに集中して総理大臣杯は優勝できたので、インカレも初戦から実力を100%出せるようにチームを持っていきたいと思います」。服部率いる2冠王者が、新たな歴史に挑戦する。 (関陽一郎)

MVPに輝いた明大の服部

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◆日体大・高井 得点王

 得点王獲得の瞬間をスタンドで迎えた。通算14得点でフィニッシュしていた日体大MF高井は自身を2点差で追う筑波大FW中野誠也(3年・磐田U−18)の最終戦を見守った。ライバルはPKを失敗するなどして1ゴール止まり。結果、得点王の称号が手に入った。

 前節まで12ゴールで中野と並んでいたが、一足先に消化した12日の最終戦で2点を加え、単独首位に立った。中野とは連絡を取り合う仲。2得点した直後に「さすがですね」とメッセージが来たそうで、「おまえ、明日(点を)取るなよ」と返しておいた。「ヒヤヒヤしながら見ていました」という高井の祈るような思いが通じたのか、中野は結局、13ゴールにとどまった。

 前半戦では3得点だったが、後半戦に入ってから量産した。折り返し後の11戦のうち、9戦でゴールをマークするコンスタントさが、タイトルにつながった。

 「うれしいですし、自信にもなります」

 しかし、満足などはしていない。「大学のカテゴリーでは得点王は取らなければいけないと思っていました。僕はワールドカップに出て海外でプレーするとか、上を目指していますから」と、さらなる高みを貪欲に目指す。 (関孝伸)

通算14得点で1部得点王に輝いた日体大の高井

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◆筑波大・中野 1点及ばず…

 筑波大のFW中野は得点王に1点だけ及ばなかった。後半10分にPKを得たが、「置きにいってしまいました」とシュートがやや弱くなり、相手GKに阻止された。同24分に右足で1点を挙げたものの、あと1点が遠かった。

 「決めたシーン以外では落ち着きが足りませんでした」と反省。「メンタルの部分も成長させて、来年こそは絶対に得点王を取りたいと思います」と力を込めた。

勝ち越しとなる絶好機でシュートを外し、悔しがる筑波大の中野(関陽一郎撮影)

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◆1部新人賞

 ▽流通経大GKオビ・パウエル「素直にうれしいですが、僕自身そんなに結果を残していません。全国大会に出られなかったので、この借りは来年返したいです」

 ▽順大FW旗手怜央「今シーズン、頑張ったかいがあったのかなと思います。2桁(得点)にあと1点だったので、反省し、今後につなげていきたいと思います」

 ▽明大DF小出悠太「優勝したので、取らなきゃいけない賞だと思っていました。優勝が決まるまでは失点を少なく抑えていましたし、そこが評価されたのでしょう」

 ▽明大DF河面旺成「個人的な賞をもらえるのは光栄です。自分が頑張ったことが報われたという思いもありますけどチームのみんながいてくれたからこその賞です」

 ▽日体大DF高野遼「この1年間、個人としての結果には納得できていませんけど、評価して選んでもらえたのはすごくうれしいことです。取れてほっとしています」

 ▽筑波大DF鈴木大誠「うれしいんですけど、今日もミスからの失点がありましたし、まだまだなんです。この賞に浮かれていてはいけないというのが正直な感想です」

 ▽明大MF道渕諒平「他人に評価されたのはうれしいことですし、誇りに思います。取れるとは考えていませんでした。今後は取れると思って取れる選手を目指します」

 ▽駒大MF吉岡雅和「自分のプレーはそんなに良かったわけではありません。絶対にもらえないと思っていたのでビックリ。ハットトリックを2回したからですかね」

 ▽明大MF柴戸海「プロに行く選手が多く取っている賞なので、プロを目指す立場としては一つの自信になりました。インカレや来年につなげていきたいと思います」

 ▽明大FW丹羽詩温「素直にうれしいですけど、チームがうまくいったことでもらえた賞だとも思います。後半戦に入って自分の得点が減ったので、それが心残りです」

 ▽筑波大FW中野誠也「1年間やってきた結果として評価されました。得点王を逃したのは残念ですけど、裏への飛び出しや得点の部分が評価されたのだと思います」

1部のベストイレブン(後列左から)明大の柴戸、河面、丹羽、小出、筑波大の鈴木大、明大の服部(前列左から)明大の道渕、日体大の高野、筑波大の中野、駒大の吉岡、日体大の高井

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◆東京中日スポーツ賞

 ▽筑波大MF吉田直矢(数少ない4年生の主力として出場20試合)「受賞は励みになります。1部で通用しないところをみんなで改善していけたのが、2位という結果につながったと思います」

東京中日スポーツの伊藤憲二局長(右)からトロフィーを受け取る筑波大の吉田直矢

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