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延長戦 砂塵を原因とする事象の有機的連鎖 

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気が向きませんが、仕方がありません。
 

ほとんど昨日の記事とコメント欄で、「改修命令」氏との議論は終わっています。 

終了しないのは、いくら論破されても同じことをブツ切りでダラダラと入れてくるからです。 

おそらくこの人物は今日の記事を読んでも主張をまったく変えず、あいかわらすオスプレイは「構造欠陥機」と言い続けることでしょう。 

なぜでしょうか。はい、そうです。 

私の記事やコメンターの皆さんがせっかく調べてきた文献などを、いっさい読んでいないからです。 

読むとしてもアラ探しばかりです。

たとえば私が「ゴム風船」のコラージュを10分間アップすると、歯をむき出して歓喜しているコメントを即座に入れてきて削除されました。 

おそらくはこんな枝葉の「敵失」にでもすがりたいからでしょう。 

それにしても、反基地派の作法の悪さは格別です。 

私がエッセイでシーベを虻と書いてしまったミス(ほんとうはブヨの類)を上げつらい、「こんな奴が」と大騒ぎします。 

まともに正面扉から入って来てテーブルに着きなさい、ちゃんと議論する気があるならおつきあいしますと、くどいほど言っていてもダメです。 

反対派は、長年の間、甘やかされた閉鎖的言論空間で生きてきたために、今や意見の違う者ときちんとした討論ができない身心になってしまったのです。 

20160920231957琉球新報9月20日

上の琉新の記事はスペースの都合で下半分が切れていますが、ありがたくも反対派が高江につながる唯一の県道70号線の封鎖を解除したことを報じています。 

これがいかに高江集落の平常な生活と生産を阻害してきたのか、いかに住民は怒りをこめて反対派を見ているのか、察して余りあります。
関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-44f8.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-1f27.html 

地元紙の記事には、こんな暴行を働いている反対派への批判はおろか諫言のひとかけらもありません。 

いや、白昼堂々と報道機関の目の前でリンチ拷問行為が展開されていようと、平然と見逃しています。
https://www.youtube.com/watch?v=8eS4o-CxyjI&feature=youtu.be
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/20165-b8be.html
 

Photo

本土で同じことをすれば警察に拘束されるような高江集落の封鎖や、一般市民への検問行為をやろうが、はたまた、山中でリのンチ暴行事件も、地元紙にかかれば「平和的市民をいじめ抜き、差別語を吐き散らす機動隊」と報じてくれます。 

かくして、反対派は同じことを本土ですれば即刻逮捕されるようなことも、この沖縄だけでは許されると勘違いしてしまいました。 

上の高江山岳ベースリンチ事件の動画を見た多くの本土の人たちは、なぜ沖縄だけでこんな無法が許されているのか首をひねったはずです。

この驚愕こそが、この動画が73万回も再生された原因です。

このような風土から、自分たちだけは何をしても、何を言っても許されるという特権意識が芽生えたのでしょうね。 

反対派特有の、他者に対する非寛容、傲岸、そして礼節の欠落などの特徴は、この沖縄の特有の言論空間から生まれたものです。

確かに反対派が主張するように、「沖縄差別」は存在します。

ただし差別は差別でも、逆差別ですが。 

                     ~~~~

さて、今回でハワイ事故については終わりにします。 

TPPやトランプ、そして新たな国際環境など議論したいことはやまほどあるのに。 

さて歪んだ論者は、歪んだ標的を自ら偽造し、歪んだ的に向けて矢を放ちます。 

そして「ほら見ろ」とうそぶくわけです。 

このHN「改修命令」氏はその典型です。 

この人はこう書いています。

「あなたはブラウンアウト「が原因」と書きましたが、ブラウンアウトやホワイトアウトは、ごくふつーに起きることであり、「目の前真っ茶色」なったくらいで墜落したんでは(軍用でなくても)パイロットは務まりません。」

私はこの連載2回でこう書いています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-0e0c.html

 「この墜落原因は自分の機体が巻き上げる土埃の中にスッポリと入ってしまい、パイロットが自機の姿勢を制御できなくなる「ブラウンアウト」という現象です。
この現象は、ヘリパッドの外の不整地で起きやすいといわれています。
このハワイで落ちたオスプレイの場合、着陸アプローチ時に、自機の巻き起こしたダウンウオッシュ(※下向きに吹きつける風)によって巻き上げられた土埃で、パイロットが瞬間的にコントロール不能になったためです。
また、巻き上がった砂埃をエンジンが吸ってしまったために、左側エンジンがコンプレッサーストール(※)を起こしたために出力低下を起こしてしまいました。

※なんらかの理由でエンジンに入る気流が乱れ、異常燃焼や出力低下を起こす現象のこと。
後に事故機を調査したところ、ターボシャフト内部のファン・ブレードが大きく破損していたそうです。
この墜落原因は自分の機体が巻き上げる土埃の中にスッポリと入ってしまい、パイロットが自機の姿勢を制御できなくなる「ブラウンアウト」という現象です。」

長いですが、誤解の余地がないように、パラフレーズごと引用しました。 

さぁこれをそのまま読んで、「私がブラウンアウトの原因だけで墜落した」と読めますか? 

私がそんな短絡したことを書いていると読めたら、そのほうがエライ。 

私はあくまでも、「砂塵」よる視界不良がパイロットの操作ミスを誘発し、砂塵内での滞空時間遅滞による、大量の砂塵の吸い込みがコンプレッサー・ストールを引き起して落ちた、と連続して絡まりあった事象として書いているのです。 

これは私だけの珍しい特異な意見ではありません。

防衛省HPにある「オスプレイについて」 防衛省仮訳 
http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/index.html
教示頂いたコメンターの皆さんに感謝します。 

「事故調査の結果、事故に寄与した主たる要因は、パイロットのパフォーマンスと着陸帯「ガル」の不適切な現地調査であると判明した。
パイロットは、いかなる規則及び飛行手順にも違反しなかったが、パイロットの意思決定には、事故につながる事象が考慮されていなかった。
最初の着陸を試みた際、着陸帯「ガル」における「低視界着陸レベル」が想定よりもずっと高いことが分かった。
適切なリスク評価を行っていたなら、パイロットは異なる飛行の態様、経路または着陸帯を選定し、深刻な低視界状態を局限又は回避できたであろうということを、事故調査は明らかにした」
 

「2回連続で砂塵の中で着陸を試み、設計上想定されている以上に砂塵の中に止まった際、エンジン内に過剰に砂塵を吸入
左側エンジン内の空気流量が著しく低下し、出力を喪失(機体は地表へ落下)」

 ここで防衛省ハワイ事故報告が、「深刻な低視界状態」と書いているのがブラウンアウトです。

特にブラウンアウトと記していないだけで一緒です。

航空関係者だと思われるHNスナフキン氏のコメント。 

「ブラウンアウトあるいはホワイトアウトについてですが、これは砂塵または雪が自身のダウンウォッシュにより巻き上げられ、結果として操縦者の視界を遮断してしまうという現象のことを表し、離着陸時に起こり得る事象です。
この事象はヘリコプターであることが前提で、砂塵または積雪のある地面に対し低高度でホバリングすることで起こり得ます。
対応としては起こらないような接地面にするまたは起こらない場所を選定するという準備段階としての対策と、ホバリング時間を最短にする、すなわち着陸地点への進入を例えるとある程度前進速度を残したまま高度を下げ、着陸点へ進入する操縦法での対策になります。
オスプレイであるからとかCH47だからというわけではなく、ヘリコプターであれば、条件によってどの機種でも起こり得ることであり、また、操縦の仕方によっても起こり得ます。
次に空間失調についてですが、これはヘリコプターがどうとかの問題ではなく、人間であればだれでも起こり得る現象のことです。
モヤっとした雲の中とか、視界の効かない空間の中でまっすぐ進んでいると仮定してください。
その状態で上下左右の感覚が麻痺してしまう現象です。この時、航空機はまっすぐ水平を保っているにも関わらず、麻痺した人間の感覚が勝ってしまうと、わざわざ操縦に関与しとんでもない飛行姿勢としてしまって事故に至るケースが存在しています。
これは人間の生理現象に起因するので機種がどうのというものではありませんし、飛行機でも起こり得ます。」

ありがとうございます。大変に参考になりました。 

これ以上付け足す必要がないと思いますが、解説しておきます。 

ハワイ事故は、パイロットが砂塵の中に二度突入してしまい、設計上許されている以上の時間(マニュアルの約2倍の110秒)滞空した結果、過剰な砂塵をエンジンが吸い込んだ結果パワー不足に陥ったために起きたのです。 

これはスナフキン氏が書いておられるように、オスプレイ特有の事象ではありません。 

それを「改修命令」氏はこう書きます。 

「目の前ま茶色になったくらいではパイロットはつとまらない」 

すいません。

この一行読んだとき、私はあなたがオスプレイのみならず、ヘリのような垂直離陸機一般についても何ひとつ知らないで書き散らしていることを確信しました。 

「英文事故報告書を英語が読めるなら読め」とか、日本における航空事故調査の第一人者である「松尾氏は間違っている」と書き込んできたので、ものスゴイ航空専門家が来たのかとビビってましたもんで(笑)。

ほんとうの専門家ならば、ハワイ事故の前に起きたアフガンの事故を検証してていなければヘンです。

なぜならこの二つは、大変によく似た事故だからです。 

アフガン事故を分析してから、「目の前ま茶色になったくらいでパイロットは落とさない」なんて言って下さい。

アフガン事故は2010月4月8日に発生しました。

その原因についてこう述べられています。
CV-22 crash not caused by mechanical failure | lightglobal
http://obiekt.seesaa.net/article/148155312.html

The BellBoeing CV-22 crash in Afghanistan on 8 April was not caused by a mechanical failure, according to a source familiar with preliminary findings of the US military investigation.
The fatal crash, which killed four and injured others, occurred after the pilot lost situational awareness while landing in a wadi around 1am under brown-out conditions, the source says.

4 月 8 日、アフガニスタンにおいて CV 22が事故でクラッシュした。調査団の調査結果、機械故障によって引き起こされた
パイロットなど4人死亡
した。
ソースによれば、原因は
 ブラウンアウト条件下でパイロットが認識を誤り、 1 ワジに着陸しようとしたためである。

ここでこの英文サイト・フライトグローバルは、墜落原因をbrown-outの状況下で起きたmechanical failure(機械的故障)だと記述しています。

「改修命令」氏が、ブラウンアウトを定義しろと言っていますからしておきます。

「ヘリコプターなどの回転ローターが巻き上げる砂塵あるいは土煙の中に入って、パイロットの視界が極度に低下する状態」

その結果、パイロットは空間識失調(バーティゴ)の状態になり、自機の姿勢が判らなくなってしまうことがあります。

バーティゴも押さえておきます。 
空間識失調 - Wikipedia 

「主に航空機パイロットなどが飛行中、一時的に平衝感覚を失う状態のことをいう。健康体であるとないとにかかわりなく発生する。
機体の姿勢(傾き)や進行方向(昇降)の状態を把握できなくなる、つまり自身に対して地面が上なのか下なのか、機体が上昇しているのか下降しているのかわからなくなる、非常に危険な状態。しばしば
航空事故の原因にもなる。」

ブラウンアウトは、「改修命令」氏のいうように鼻唄をうなりながら、計器を見ていれば大丈夫さぁみたいなものではありません。

ドクターヘリのような小型ヘリでも、緊急で未舗装の校庭に着陸せねばならない場合、急いで着陸予定地に水撒きをしているのすら知らないようです。

特に超低空の着陸態勢の時にバーチゴに陥ると、着陸するべき場所を誤ったりしてクラッシュする可能性が高くなり、大変に危険です。

今回のハワイ事故もブラウンアウトに陥ったパイロットが、機位を誤り、回避すべき経路をとらず、エンジンが砂塵を吸い込んでパワー不足を起こして墜落しました。

これはスナフキン氏が言うように、オスプレイ特有の現象ではありません。

下の画像はオランダ軍のCH47チヌークが、ブラウンアウトに遭遇した時のものです。
Dutch Chinook conducting a brown-out landing in Afghanistan 
https://www.youtube.com/watch?v=AIQY1O2wXts

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パイロットにとって、「目の前がま茶色」になるとは、どんなことなのかよく分かります。

アフガンでは、オスプレイだけではなく、「世界最強の戦闘ヘリ」とうたわれたAH64だけで17機がブラウンアウトで墜落しています。 

これらの十数人のパイロットは皆揃って、「改修命令」氏が言うように、いたってフツーの現象であるブラウンアウトに遭遇して、パイロットがつとまらない人だったわけでしょうか。 

わけはありません。

それほどブラウンアウトは、ヘリやオスプレイのような垂直離陸機にとって危険な現象なのです。

昨日の記事でも紹介したテクニカル・ライターの井上孝司氏は、「航空とIT」でこう述べています。
http://news.mynavi.jp/column/airplane_it/056/ 

舞い上がった土埃がエンジンに吸い込まれれば、エンジンのパーツを傷めたり、摩耗させたりすることになりそうだ。
そもそもそれ以前の問題として、土埃のせいで視界不良になったのでは、安全な降着が難しくなる。

下の地上の状況がよく分からないままに、着陸操作を行わなければならないからだ。それで障害物に接触したのでは危険である。」

井上氏はここで、砂塵が大量に舞い上がるとコクピットを包み隠して、パイロットが視界不良になるだけではなく、エンジンに吸い込まれてパーツを破損させると、ブラウンアウトとエンジントラブルを関連づけて説明しています。  

私が記事を書くに当たって参考にしたのは、この井上氏の見解です。 

「改修命令」氏の硬い脳味噌は、二者択一的にブラウンアウトか、砂塵セパレーターの故障かとぶつ切りにしてしまっています。

一連のことは砂塵による有機的関連を持つ事象の連鎖なのです。

「改修命令」氏よ。皮肉ではなく忠告しますが、もうあなたは完全に論破されています。

これ以上私に、余計な時間を浪費させないで、静かにフェードしてください。さようなら。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

昨日も脳味噌が化石みたいな人たちに絡まれて大変でしたね。
そんなに最新鋭のヘリが怖いなら、よく落ちる民間飛行機なんて恐ろしくて乗れません。
かといって、船だと転覆してサメのえさになる可能性十分だし、どうやって沖縄まで遠征しているんだろうか?
不思議な人たちです。(´д`)

投稿: やもり | 2016年11月15日 (火) 06時17分

前記事でコメントしたのは
  (10分もしないうちに削除されていたが)
「管理人が、過去の自分のコメントを改変していること
を指摘しておく」
と書いた

私のコメントに引用した文言が消えていることからも
それは明らかなこと。

「風船・・歯をむき出して歓喜しているコメント」というのは
私のIDであったならなりすましだ
何より君がIPアドレスで判断していることは知っている
すぐになりすましと分かったはずだ

君にとっては残念なことだが
いろいろうわさを聞いているので
私はコメントするごとに状態を画像保存もしてある
管理人コメント改変前の画像ももちろんある

まずはこの点の回答を求める

投稿: 改修命令 | 2016年11月15日 (火) 06時53分

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