ことしは観測史上最も暑い WMOが温暖化対策訴え

北アフリカのモロッコで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP22で、WMO=世界気象機関は、ことしは観測史上最も暑くなり、世界の平均気温が産業革命前と比べておよそ1.2度高くなる見込みだと報告し、パリ協定に基づく温暖化対策が急務だと指摘しました。
WMO=世界気象機関は各国から集めたことしに入ってからの世界の気象に関するデータを分析し、14日、モロッコのマラケシュで開かれているCOP22の会場で発表しました。

それによりますと、ことしに入ってから9月までの世界の平均気温は14.88度で、WMOが基準としている1961年から1990年までの平均値の14度を1度近く上回りました。

気温が高い傾向は10月以降も続いていて、WMOは、ことしは観測史上、最も暑い年になり、世界の平均気温も産業革命前と比べておよそ1.2度高くなる見込みだとしています。

パリ協定では、今世紀末の世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満から1.5度までに抑えることを掲げていますが、去年、その差が1度をはじめて超え、ことしはそれを上回る見込みで、WMOは、温暖化が危機的なペースで進んでいるとしています。

会見したWMO=世界気象機関の担当者は「具体的な対策に向けCOP22での各国の交渉に生かしてほしい」と述べ、パリ協定に基づく対策が急務だと指摘しました。