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 ロボットは東大に入れるか――。国立情報学研究所で人工知能(AI)をめぐるこんな研究を続けてきた新井紀子教授が14日、その可能性と限界について発表した。AIの研究が進む中、私たち人間はどんな能力を磨くべきなのか。新井教授が朝日新聞デジタルに寄稿した。

 今年も、「東ロボくん」の受験シーズンが終わった。東ロボくんは今年ついに、関東ならばMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関西ならば関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)と呼ばれる難関私大に合格可能性80%以上という成績を達成した。だが、東京大学には遠く及ばなかった。深層学習を含む現状の技術の延長線上では、AIが東京大学に合格する日は永遠に来ないだろう。

 これまで多くの高校で、東ロボくんについて講演してきたが、私は冒頭で必ずこう問いかけることにしている。「あなたは2021年に人工知能(AI)は東大に入れるようになると思いますか?」

 どの会場でも8割以上の生徒が「入れるようになる」と答える。みんな笑顔だ。AIがもたらす明るい未来を信じているのだろう。「人工知能の進化は日進月歩で囲碁の世界チャンピオンも破ったくらいだから、東大に入ってもおかしくない」と最新の知識を披露する生徒もいる。

 「では」と私は続ける。

 「そのAIが社会で働くようになったとき、あなたは何をして働きますか?どうやってお金を手に入れますか?」

 一転して、動揺が走る。マイク…

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