こんにちは。今日からブログのタイトルとアイコンを変更した森野です。読者のみなさま、引き続きよろしくお願いします。
さて映画やドラマ、マンガなどで「大切な仲間が道半ばで亡くなる」っていうストーリー、よくありますよね?これって昔からのストーリーの一つの王道だけど、最近のマンガとかを読んでいると、その仲間が死ぬスピードが極端に早くなっている気がする。
マンガだけではない・・・ドラマ、小説・・・。
ストーリーテリングをする文化的なエンターテインメント、ほぼすべてのジャンルに見られる最近の傾向だと、森野は思っています。
たとえば僕が子どものころのマンガってちょっと違いました。
「ドラゴンボール」では、フリーザ戦のクライマックスで、クリリンが爆破されますがそれがきっかけで悟空が超サイヤ人になるとか、「本当にここぞ!」というところで仲間が死んでいたわけだし。
「魁!男塾」とか「聖闘士星矢」にいたっては、仲間が死んだ・・・はずなのに、「実はあのときは間一髪死んではいなかったのだ!」的なエクスキューズで簡単に復活したり(笑)
ダークファンタジーのベルセルクでも、「蝕」という前半部のクライマックスまではそんなに仲間は死なない。むしろ、そこまで仲間の連帯感をストーリーの中で高めておいてから、「蝕」で・・・となる。
そんなこんなで読者に読ませるというストーリーテリングが一般的だったけど・・・
最近のマンガ・ドラマは違いますねーー。
あっけなく大切な仲間が死んでいく。
しかも次々と。
でもそうすることによって、よりストーリーにコミットできる感じも出てくる。
いつ死ぬかわからないから、ドキドキハラハラしながら楽しめる。
(フィクションだからこそこんな表現は可能なのだが・・・)
そんな効果があるのかもしれない。
ということで、今日は森野が最近見たり読んだりしてグッときた「次々に仲間を失ってしまう」ドラマやマンガを3つご紹介。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
おススメドラマ:「ウォーキング・デッド」
出典:http://tv.foxjapan.com/files/img/others/20130222/136152291885388.jpg より
日本でもずっと高い人気を誇っているアメリカのドラマ。
今もうシーズン6までいっているのかな?
森野も見たとたんにハマりました。
いやーー、よくできています、このドラマ。
本当にいつ誰が死ぬのか?が読めない。
ストーリーとしては昔からよくある「ゾンビもの」。
主人公の保安官・リックは任務中に銃弾で倒れ、昏睡状態で病院に入院していた。で、目を覚まし意識が回復してみると、なぜかアメリカ中が「ウォーカー」と呼ばれるゾンビだらけになっていて、そこから妻や子供、仲間たちと安息の地を求め、旅を続けるというストーリー。
もちろん、ゾンビに嚙まれると・・・ゾンビになってしまうので、リックを中心とするグループ(大体いつも10人前後)は、常にウォーカーと戦いながら、逃げ続ける。ストーリーが進んでくると、ところどころでリックたちと同じようにまだゾンビになっていない人びとが集まっているグループがあって、そこでリックたちのグループと別のグループが協力し合ったり、対立したり。そうした人間vs人間のドラマもストーリーの大きな見どころとなっている
ということで、必然的にストーリーの形として「仲間を失う」という図式は頭に入ってドラマを見るのだけど・・・誰が死ぬのかがなかなか読めない。
というのも、シーズン1から3の間に「え!あなた死んじゃうの」という重要人物がどんどん死んでいっちゃうから。
最初のほうは見るたびに「君も!」「おまえもか!」ってなって、かなり驚いた。
っていうぐらい、仲間が死んでいってしまう・・・
アメリカのドラマってホント作りが上手で、毎回、クライマックスが用意されている。今日はこの人が・・・次回はこの人が・・・みたいでいろんな人に焦点があてられるんだけど、そうした人がどんどん亡くなっていくというのは、見ていても辛い。
視聴者は、そうした悲しみも含めて見ることを余儀なくされる。
その急展開にもついていける人には・・・
抜群に面白いドラマかと。
おススメマンガ:「テラフォーマーズ」
出典:http://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20130223%2F12%2F1817492%2F7%2F790x592x173d9adec8cf1651edd0cd4f.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=600&qlt=80&res_format=jpg&op=r より
テラフォーマーズ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 貴家悠,橘賢一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: Kindle版
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続いては映画化にもなったこちらのマンガ。
ご存じですかね?
人間とゴキブリが戦うマンガです(笑)
マンガのストーリーの背景は一応あって、時代は今から600年後の地球が舞台。火星のテラフォーミング計画(人類がほかの惑星に住めるように、惑星の自然環境を変えていくというもの)の中で、地球から持ち込まれたゴキブリが、火星で異常な進化を遂げ人間とバトルするというもの。
人間には進化したゴキブリに対抗するために、昆虫の生態技術を応用した特殊な手術が施されている。そうしたバイオミメティクスの知識もふんだんに盛り込まれていて、生き物の生態を知るにも面白いマンガとなっている。
が、こちらのマンガも仲間がどんどんゴキブリに殺されていく・・・
というか、
ゴキブリの戦闘能力が異常に高い!
ゴキブリってそんなに攻撃的なのか?
というか、なんで筋肉が発達するんだ?とか。
ツッコミところは多々あるが、それはいいとして・・・。
一部と2部は地球人が火星に乗り込み、進化したゴキブリたちと戦うストーリーがメインなのだけど、そこではほとんどのメンバーがゴキブリに殺されてしまう。
一部ではたった二人しか生き残らないし・・・。
2部も100人以上が火星に乗り込むけど、生き残るのは数人・・・。
個人的には、電気ウナギが手術ベースとなったアドルフ・ラインハルトのクライマックスがおきにいり。NAVERまとめでもしっかりまとまっています。
映画は大コケしたという話だけど、マンガは画力がしっかりしているし、ストーリーも緻密に設計されている。1回読んだだけではわからない伏線もあったりする。
そういえばこういうSFバトルもののマンガでは・・・
GANTZも初期ではいろんな仲間たちが死んでいきますね。
このマンガもヘンテコだったけど面白かったな。
おススメ小説:「北方大水滸伝」
最後に小説編では、私・森野が長らくイチオシしている「北方大水滸伝」。
こんなストーリーです。
12世紀初頭の北宋末期の中国。皇帝の浪費や官僚の悪政による政治の腐敗が著しく、民の間では怨嗟の声が満ちていた。このような状況を憂いた小役人の宋江は世直しの檄文を書き記し、魯智深たち同志とともに反政府の人脈作りに勤しんでいた。一方、東渓村の保正(庄屋・名主)晁蓋もまた世直しのために盧俊義に塩の密売を行わせるなど独自の活動を行っていた。やがて二人は手を組み、梁山湖に浮かぶ盗賊の山寨を奪取、梁山泊と名づけて本格的な武力闘争へと向かっていく。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%BB%B8%E4%BC%9D_(%E5%8C%97%E6%96%B9%E8%AC%99%E4%B8%89) より
漢(おとこ と読む)たちの国への反乱のストーリー。
国を倒そうと梁山泊と名付けられた山塞に男たちが集まり、反乱軍を整備し、宋の軍団と戦っていく。
当然、道半ばで犠牲となる仲間が出てくるのだが・・・
物語の序盤ではやくも重要人物が亡くなっていくーー。
死に方も様々。戦での死、暗殺、毒殺、事故死、何でもあり、だ。
作者の北方謙三氏は、これを単なる反乱軍による革命への戦いとして描くだけでなく、塩の密売や交易などの経済、諜報部隊のインテリジェンスなど、国家対国家としての戦いとして描いている。
なので、文庫本では19巻という超破格の長さ!
読めねーよ!と突っ込まれるかもしれないが、
ハマったら最後、絶対に抜けられない面白さがある。
その壮大なスケール感がこの小説の最大の魅力となっているんだけど、それにしても当然、国へ喧嘩をふっかけているわけなので・・・
物語の後半からハンパない犠牲が出る。
宋がついに最強の軍隊・禁軍を出動させ、
梁山泊を本格的につぶそうと動き始めるから。
これまで10巻以上苦楽を共にしてきた
思い入れたっぷりの仲間が次々と戦火で倒れていく・・・
男泣き必須の物語( ノД`)
おわりに
ということで「仲間が次々と亡くなっていく」おススメのストーリーを3つ、あげてみました。
ちょっと考えてみると「仲間が次々と死んでいく」というのは、物語を前に展開させていくために必要なカタチなのかなと。
たとえば仲間がたくさん現れたときに、その仲間たちがいつまでたっても舞台に居座ったままだと、新しい人々がなかなか登場できない。
だって一つの物語の中で追い続けることのできる登場人物の数は限られていると思うので。トルストイの「戦争と平和」とかホント、登場人物が多すぎてよくわからなくなるし。吉川英治の「平家物語」も「源●●」とか「平■■」とか源姓、平姓が多すぎて誰が誰だかわからなかった、という記憶がある。
とすると途中で誰かを退場させて、誰か新しい人を入れていかないと、長編の物語は硬直化してしまう。そして現代の物語に対しては、読者も相当リテラシーがあがっているので、その回転を速くしていかないと物語に飽きてしまうのではないかと。
そういったことから物語論的に考えると「仲間が次々と死んでいく」というのは、その回転速度をあげ読者を飽きさせないための一つの手法なのだと思う。
これってもしかすると、
会社とか仕事での組織論にも応用できる気がしたんだけど・・・
つまり、会社の経営を前に転がしていくためには、絶え間ない新陳代謝が必要なのではないか。だからこそ大企業では人事異動があるわけだし、転職というのもその一つですよね。
まあ、これに関してはまとまったところでまた書いてみよう。
今日も読んでいただいてありがとうございました。
今日はこのへんでおしまい。