ニュージーランド地震 被害の全容解明急ぐ

ニュージーランド地震 被害の全容解明急ぐ
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ニュージーランドで日本時間の13日夜起きたマグニチュード7.8の地震ではこれまでに2人の死亡が確認されました。震源に近い町に通じる主要な道路は寸断されたままで、ニュージーランド政府は軍のヘリコプターを派遣するなどして被害の全体状況の確認を急いでいます。
現地時間の14日午前0時すぎ(日本時間の13日夜)起きた、ニュージーランドの南島東部を震源とするマグニチュード7.8の地震ではこれまでに2人の死亡が確認されました。

首都ウェリントンにある日本大使館によりますと、日本時間の14日午後5時現在、日本人が地震の被害にあったという情報は入っていないということです。

震源地からおよそ60キロの場所にある町、カイコウラの海岸では地震からおよそ40分後、最大およそ1メートル50センチの津波が観測されました。

また、上空からの映像では地震の揺れで被害を受けた建物が点在している様子も確認できますが、防災当局などによりますと主要な道路が寸断されているほか電話もつながりにくい状態が続いていて、被害の詳しい状況はわかっていないということです。

ヘリコプターで被災地を視察したキー首相は「喫緊の課題は、町の人たちの飲み水や食糧を確保することだ。ここに通じる道路はふさがれていて、空から運ぶ以外に方法はない」と述べ、軍のヘリコプターや艦船を派遣し、救助や支援活動を行うほか、被害の全体状況の確認を急いでいます。

酪農にも影響か

今回の地震は、ニュージーランドの主要産業、酪農にも影響を与えるおそれがあります。

世界有数の乳業メーカー・フォンテラのフェイスブックによりますと、今回の地震のあと津波が観測されたカイコウラにはおよそ30の牧場がありますが、道路が通行止めになったため、牛乳を集めるタンカーが通ることができず、農家は牛乳を破棄しなければならなくなるおそれがあるとしています。さらに、カイコウラを上空から撮影した映像には、地滑りによって牧草地が押し流され、小島のように残ったわずかな場所に子牛を含む3頭の牛が取り残され、身を寄せ合っている状況が写っています。