世界的な有名ギタリストの共演無しに怒りの声

今月11日に東京都内で開かれたロックミュージックのイベントで、事前にPRされていた世界的に有名な2人のギタリストの共演が行われず、ソーシャルメディアなどで不満の声が上がっていたことについて、主催した東京のイベント会社では、14日、「ギタリストの意向で演奏が行われなかった」と説明しました。会社では、「多数のアーティストが出演し、イベント自体は成立している」として、チケット代金の返金などには応じないという見解を示しましたが、この対応についてソーシャルメディアでは、「納得できない」という声もあがっています。
このイベントは、「クラシックロックアワード2016」で、主催した日本のイベント会社によると、イギリスのロックミュージックの雑誌が、毎年、優れたミュージシャンなどに賞を贈るセレモニーとして、11年前からロンドンを中心に開催されてきたということです。

ことしは東京を会場に、11日夜に両国国技館で開催され、10数組のアーティストが参加しました。中でも、開催前から話題になっていたのは、世界的に有名なジミー・ペイジさんとジェフ・ベックさんの2人のギタリストで、主催した会社では、「日本初共演を果たすことになる」などとPRしていました。しかし、11日のイベントで演奏を披露したのはジェフ・ベックさんで、ジミー・ペイジさんは賞のプレゼンターとして出演したのみでした。

このイベントのチケットの代金は、最も安い席で9500円、カクテルレセプションなどを含めた最も高いものでは30万円となっており、ソーシャルメディアでは「ジミー・ペイジを見に行ったようなものだから騙された感じ」とか、「代金を返してほしい」といった不満の声があがっていました。

主催した東京のイベント会社「KLab Entertainment」(クラブエンターテイメント)では、14日、ペイジさんの演奏は実際に予定されていて、ギターやアンプなどの機材を用意していたとしながら、「本番直前に、ペイジ氏の意向により、演奏が行われませんでした」というコメントを発表しました。そのうえで、「(事前の)広告宣伝にジミー・ペイジ氏を看板スターとして位置づけて告知をしたにもかかわらず、演奏が行われなかったことは事実ですが、出演者や演奏内容の変更を完全に防ぐことは難しかった」と説明するとともに、「多数の出演者によって構成されるイベントなので、イベント自体は成立していると判断している」として、チケット代金の返金などには応じられない、と説明しました。

これに対して、ソーシャルメディアでは「イベント自体は楽しかった」という声もあった一方で、説明に納得できない人たちからは、ペイジさんに責任を押しつけているといった批判のほか、ペイジさんとどのような契約を結んでいたかについて、疑問の声もあがっています。