小学館のファッション誌「AneCan(アネキャン)」が7日発売の12月号で休刊し、10年の歴史に幕を閉じた。「エビちゃん」こと蛯原友里さんや押切もえさんら人気モデルを専属に抱え30代前後の女性から支持を集めた。2010年に32万部だった発行部数は約8万部まで減少していた。スマートフォンの普及や若者の書店離れで、休刊に追い込まれる雑誌が増えている。
出版科学研究所によると15年の雑誌販売額は7800億円で前年比8.4%減となり、減少率は過去最大となった。ピーク時である1997年の約1兆5600億円の約半分で、18年連続で減少している。
16年はファッション誌「SEDA」(日之出出版)や音楽誌「オリスタ」(オリコン)、情報誌「ケイコとマナブ」(リクルート)など休刊が相次ぐ。小学館の学習誌「小学二年生」も12月発売号をもって休刊する。
販売が落ち込む中で、奮闘する出版社もある。宝島社はファッション誌の付録を充実させた。16年上半期に「SPRiNG」が前年比約2倍となるなど、同社のファッション誌の8割が部数を上積みした。
ただ、全体として紙媒体市場が縮小する中、各社、模索が続く。KADOKAWAは「週刊アスキー」の紙媒体を15年に休刊し、情報のネット配信に移行した。16年6月には定額配信を始めた。講談社は「週刊少年マガジン」の過去号をスマートフォンアプリを通じて無料で提供。単行本の購買につなげたい考えだ。