【ソウル大貫智子】韓国の朴槿恵大統領が4日、親友の国政介入疑惑を受け、検察の捜査受け入れを表明した。元側近らの相次ぐ逮捕で捜査受け入れに追い込まれた格好で、現職大統領に対する検察の捜査は実施されれば初めて。検察側は親友の崔順実(チェスンシル)容疑者(60)の勾留期限の今月19日までに起訴の可否を決めなければならないため、朴氏に対する捜査は今月半ばごろ行われるとの見方が出ている。
朴氏は4日、青瓦台(大統領府)で一連の疑惑について謝罪。捜査に全面的に協力する考えを示し、「捜査を通して過ちが明らかになれば、すべての責任を取る覚悟ができている」と述べた。ただ、検察が捜査中だとして自身の関与には言及せず、記者団の質問は受けなかった。
崔容疑者との関係について朴氏は「特定の個人が利権をむさぼっていたとはとても残念」としつつ、「最もつらかった時にそばで守ってくれたため、警戒心が緩んでいたことは事実」と認めた。
一方、「国政の混乱と空白を避けるため、真相究明は検察に任せ、政府は本来の機能を取り戻さなければならない」とし、辞任する考えがないことを明らかにした。
ただ、韓国ギャラップ社が4日発表した世論調査で、朴氏の支持率は同社の調査で1987年の民主化以来最低の5%に急落。最大野党「共に民主党」は国会に首相の人選を任せるよう要求。5日には韓国各地で朴氏の退陣を求める大規模な集会が開かれる予定で、朴氏はさらに厳しい状況に追い込まれそうだ。
検察は3日、崔容疑者の逮捕状を執行。3日夜には朴氏の「最側近3人組」の一人で青瓦台元高官のチョン・ホソン容疑者を公務上秘密漏えい容疑で逮捕した。