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【プロ野球】

大谷、天井ぶち当てたん打

2016年11月14日 紙面から

◇強化試合第4戦 日本12−10オランダ

オランダ−日本 7回表無死、代打大谷が東京ドームの天井に吸い込まれる二塁打を放つ(北田美和子撮影)

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 今季のプロ野球を沸かせたセ、パの22歳が逆転勝利を呼び込んだ。強化試合の最終戦(第4戦)となる13日のオランダ戦(東京ドーム)、6点を追う7回に代打で登場した日本ハム・大谷翔平選手が、右翼の天井裏側に消える特大の認定二塁打。この一打で目覚めた打線はこの回、6長短打で同点に。2試合連続で延長タイブレークとなった10回には、1死満塁から広島・鈴木誠也外野手が左翼席へ決勝のグランドスラム。3連勝の日本代表は、強化試合を3勝1敗で終えた。

 大谷が超ド級の飛球で東京ドームをどよめかせた。

 6点を追う7回に代打で登場。先頭で内角高めを強振した打球は右翼へ高々と舞い、天井の隙間に消えていった。大谷は審判員がぼうぜんとする中、悠々とダイヤモンドを一周。東京ドームの特別ルールで二塁打となったが、規格外のパワーを見せつけた。

 「打った瞬間、飛距離は十分だなと。あとは打球が切れるかと考えていた」。失速する気配がなかった仰天の一撃。その一振りで消化不良を起こしていた打線をよみがえらせた。その後の1死一、二塁から菊池、山田の連続適時打で3得点。なおも続いた好機で中村、筒香、鈴木の3連打でさらに3点を加えた。この回、打者12人で6得点。この回2度目の打席は敬遠されたが、試合を振り出しにした猛攻の口火を切ったのは大谷だった。

 強化試合1試合目のメキシコ戦は5安打、3得点で敗戦。9回に代打で出場した大谷は空振り三振に倒れた。2戦目の同戦は「3番・DH」で先発出場。2安打、2四球で4度出塁し、1盗塁も記録して3度ホームに生還する大車輪の活躍だった。前夜12日は右翼席上段への驚弾で国際試合初アーチをマーク。日本の至宝が初戦で機能しなかった打線を活気づけた。

 「いろいろ考えながらバッティングができた。シーズンは終わったけど、すごくいい機会をもらって、成長できている」。国際試合で躍動した大谷は充実の笑み。来年3月のWBC本大会に向け「起用されたところで活躍できるようにしっかり準備したい」と表情を引き締めた。連日、非凡な打撃センスをいかんなく発揮した大谷。小久保監督は「(大谷が)いると点が入りそうな気配が実際あった。だが、基本は投手と考えている」と言い切った。投打に一級品の二刀流は大きな武器。本番の起用法は悩みどころだが、宝刀を宝の持ち腐れにはできない。 (小林良二)

 

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