パク大統領退陣求め 26万人参加し大規模抗議集会
韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領の知人や側近が逮捕された一連の事件をめぐり、ソウルでは12日、パク大統領の退陣を求める大規模な抗議集会が行われました。
韓国のパク・クネ大統領の40年来の知人の女性実業家や、大統領府の秘書官だった側近2人などが逮捕された一連の事件をめぐって、検察が、今週後半にもパク大統領本人から事情を聴くものと見られています。
こうした中、首都ソウルでは12日午後から大規模な抗議集会が開かれ、中心部の広場や大通りには、地方都市からも集まった多くの参加者が、プラカードを掲げるなどしてパク大統領の退陣を求めました。
このうち、5歳の娘と参加していた30代の女性は「この子の将来のために集会に来ました。パク大統領は責任を取って早く退陣するべきです」と話していました。
集会は12日夜遅くに終了し、参加者の多くは解散しましたが、一部は大統領府に向かい、警察が設置したバリケードの前で、機動隊とにらみ合いを続けています。
警察の推計では、集会には26万人が参加したということで、1987年の民主化以降では最大規模の集会となっています。
今回の集会が野党側へのさらなる譲歩など、パク大統領の今後の判断に影響を及ぼすか注目されています。
こうした中、首都ソウルでは12日午後から大規模な抗議集会が開かれ、中心部の広場や大通りには、地方都市からも集まった多くの参加者が、プラカードを掲げるなどしてパク大統領の退陣を求めました。
このうち、5歳の娘と参加していた30代の女性は「この子の将来のために集会に来ました。パク大統領は責任を取って早く退陣するべきです」と話していました。
集会は12日夜遅くに終了し、参加者の多くは解散しましたが、一部は大統領府に向かい、警察が設置したバリケードの前で、機動隊とにらみ合いを続けています。
警察の推計では、集会には26万人が参加したということで、1987年の民主化以降では最大規模の集会となっています。
今回の集会が野党側へのさらなる譲歩など、パク大統領の今後の判断に影響を及ぼすか注目されています。
韓国検察 捜査の現状
韓国の検察は、パク・クネ(朴槿恵)大統領の長年の知人のチェ・スンシル(崔順実)容疑者をめぐる主な2つの事件のうち、チェ容疑者が流用しようとした疑いが持たれている2つの財団の資金を集めるのに共謀したとして、パク大統領の側近で、前の政策調整首席秘書官のアン・ジョンボム(安鍾範)容疑者を逮捕しています。
多数の財閥企業が2つの財団に拠出した資金の総額は、日本円にして70億円を超えており、検察は、チェ容疑者とアン容疑者が経済団体を通じて企業側に圧力をかけたことが背景にあるのではないかとみて、調べを進めています。
捜査は、財閥企業にも及んでいて、最も多額の資金を拠出した大手電機メーカーの「サムスン電子」の社屋などが家宅捜索を受けました。
サムスン電子は、チェ容疑者と馬術競技の選手である娘がドイツに設立した会社に、選手育成のコンサルタント料という名目で、日本円でおよそ3億2000万円を拠出しており、その一部が娘の馬の購入に充てられていた疑いも浮上しています。
一方、チェ容疑者が大統領府の内部資料を受け取って国政に介入していたのではないかという疑惑をめぐっては、検察は「ドアノブ3人衆」とも呼ばれた大統領の最側近の1人、前の秘書官のチョン・ホソン容疑者を公務上の秘密を漏えいした疑いで逮捕し、押収した携帯電話の通話記録などを調べています。
チョン容疑者は、大統領のスケジュールを管理する立場にありましたが、大統領府の内部資料も全般的に扱うようになり、チェ容疑者が具体的にどういう内容の資料を受け取り、どの程度国政に介入していたのかを解明するうえで、鍵を握る人物とみられています。
このように、チェ容疑者や側近らに対する調べが進む中、パク大統領への捜査は避けられない見通しで、検察は、来週後半にも、韓国の憲政史上初めて現職大統領に対する事情聴取に踏み切るのではないかという見方が広がっています。
多数の財閥企業が2つの財団に拠出した資金の総額は、日本円にして70億円を超えており、検察は、チェ容疑者とアン容疑者が経済団体を通じて企業側に圧力をかけたことが背景にあるのではないかとみて、調べを進めています。
捜査は、財閥企業にも及んでいて、最も多額の資金を拠出した大手電機メーカーの「サムスン電子」の社屋などが家宅捜索を受けました。
サムスン電子は、チェ容疑者と馬術競技の選手である娘がドイツに設立した会社に、選手育成のコンサルタント料という名目で、日本円でおよそ3億2000万円を拠出しており、その一部が娘の馬の購入に充てられていた疑いも浮上しています。
一方、チェ容疑者が大統領府の内部資料を受け取って国政に介入していたのではないかという疑惑をめぐっては、検察は「ドアノブ3人衆」とも呼ばれた大統領の最側近の1人、前の秘書官のチョン・ホソン容疑者を公務上の秘密を漏えいした疑いで逮捕し、押収した携帯電話の通話記録などを調べています。
チョン容疑者は、大統領のスケジュールを管理する立場にありましたが、大統領府の内部資料も全般的に扱うようになり、チェ容疑者が具体的にどういう内容の資料を受け取り、どの程度国政に介入していたのかを解明するうえで、鍵を握る人物とみられています。
このように、チェ容疑者や側近らに対する調べが進む中、パク大統領への捜査は避けられない見通しで、検察は、来週後半にも、韓国の憲政史上初めて現職大統領に対する事情聴取に踏み切るのではないかという見方が広がっています。
韓国政界の動き
一連の事件や疑惑で窮地に立たされているパク・クネ(朴槿恵)大統領は、事態を打開しようと、今月2日、かつて革新系のノ・ムヒョン(盧武鉉)政権で要職を務め、野党に近いキム・ビョンジュン(金秉準)氏を、新しい首相に指名する人事案を発表し、野党からの批判を和らげようとしました。
しかし、野党側は「事前の協議がなく、一方的だ」と強く反発し、首相の就任に向けた国会での聴聞会の開催を拒否。人事案を撤回して、代わりに国会が推薦する人物を新首相として受け入れたうえで、大統領の権限の縮小に応じるよう求めました。
大統領の退陣を要求する抗議集会が各地で続く中、パク大統領は8日、国会を訪れて議長と会談し、与野党が協議して推薦する人物を新しい首相に起用するとして、みずからが示した人事案を撤回する考えを示しました。
パク大統領が野党側への譲歩を余儀なくされた形でしたが、野党3党の代表は、9日の協議で大統領がどの程度、みずからの権限を首相に委ねるのかが明確ではなく、現時点で受け入れられないとする立場で一致。12日の大規模な抗議集会に党として参加するなど、パク大統領への圧力を一段と強めています。
このほか、政権を支える与党内でも批判の声が上がっていて、パク大統領と距離を置く勢力の代表格であるキム・ムソン(金武星)前代表は、「大統領は責任をとって党籍を捨てるべきだ」として、大統領の離党を求めています。
11日発表された世論調査機関「韓国ギャラップ」の調査結果によりますと、パク大統領の支持率は2週続けて5%と、1987年の民主化以降、歴代の大統領の中で最低を記録しています。
一方、野党3党の支持率も先週から横ばいで、韓国メディアは、強硬姿勢をとり続けて国政の停滞を長引かせれば、国民の批判の矛先は野党側にも向けられる可能性があると指摘しています。
来年12月に大統領選挙を控えている韓国の政界では、今後の捜査の展開や世論の動向をにらみながら、活発な駆け引きが続くものと見られます。
しかし、野党側は「事前の協議がなく、一方的だ」と強く反発し、首相の就任に向けた国会での聴聞会の開催を拒否。人事案を撤回して、代わりに国会が推薦する人物を新首相として受け入れたうえで、大統領の権限の縮小に応じるよう求めました。
大統領の退陣を要求する抗議集会が各地で続く中、パク大統領は8日、国会を訪れて議長と会談し、与野党が協議して推薦する人物を新しい首相に起用するとして、みずからが示した人事案を撤回する考えを示しました。
パク大統領が野党側への譲歩を余儀なくされた形でしたが、野党3党の代表は、9日の協議で大統領がどの程度、みずからの権限を首相に委ねるのかが明確ではなく、現時点で受け入れられないとする立場で一致。12日の大規模な抗議集会に党として参加するなど、パク大統領への圧力を一段と強めています。
このほか、政権を支える与党内でも批判の声が上がっていて、パク大統領と距離を置く勢力の代表格であるキム・ムソン(金武星)前代表は、「大統領は責任をとって党籍を捨てるべきだ」として、大統領の離党を求めています。
11日発表された世論調査機関「韓国ギャラップ」の調査結果によりますと、パク大統領の支持率は2週続けて5%と、1987年の民主化以降、歴代の大統領の中で最低を記録しています。
一方、野党3党の支持率も先週から横ばいで、韓国メディアは、強硬姿勢をとり続けて国政の停滞を長引かせれば、国民の批判の矛先は野党側にも向けられる可能性があると指摘しています。
来年12月に大統領選挙を控えている韓国の政界では、今後の捜査の展開や世論の動向をにらみながら、活発な駆け引きが続くものと見られます。