受刑者の採用支えます 法務省がコレワークを東西に新設
2016年11月14日 福祉新聞編集部法務省は1日、刑務所や少年院といった矯正施設出所者を採用する事業主のサポート拠点「コレワーク」(正式名称=矯正就労支援情報センター)をさいたま市、大阪市にそれぞれ開設した。受刑者らの職歴や資格などを一括管理し、採用を検討している事業主の相談に応じる。人手不足の深刻な介護業界にも有効だとみている。
事業主がハローワークを通じて特定の矯正施設に求人票を登録する仕組みは現在もあるが、どの施設にどんな人がいるか、事業主は分からない。その施設の行う職業訓練の内容を参考に求人票を出しても、年齢や勤務地など条件に合う人がいない場合もある。
これに対し、コレワークは事業主の希望に合う受刑者らのいる施設を紹介する点が強みだ。出所後に施設所在地と異なる地域で働きたいと考える人がいても、全国の受刑者情報を一括管理するため、事業主に適切な施設を紹介できる。
ただし、コレワークが求職者を事業主に直接紹介することは現行法上できないため、事業主はコレワークからの情報をもとにハローワークに求人票を出して採用活動に当たる。
法務省によると、2015年度に矯正施設に入っている間に就職先が内定した人は356人。コレワークの支援により、この人数を増やしていきたい考えだ。無職者の再犯率は有職者の3倍に上ることも統計上分かっている。
矯正施設内で介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級研修)を修了した人は15年度は307人。社会福祉協議会などを通じて介護事業者にコレワークを説明している担当者は「興味を持つ介護事業者が増えてきた」と手応えを感じている。
コレワークは法律に基づく事業ではなく、法務省の予算事業で、16年度の予算は7000万円弱。職員はさいたま市、大阪市の拠点にそれぞれ3人ずつ配置する。事業主からの要望に応じて採用手続きを支援したり、職業訓練の見学会を案内したりする。
コレワークの「コレ」は「Correction(矯正)」「Core(中核)」「Collection(収集)」にちなんだもので、公募により選定された。
連絡先は次の通り。
◇コレワーク東日本(さいたま市)☎048・601・1608
◇コレワーク西日本(大阪市)☎06・6941・5780
受け付け時間は平日午前10時~午後5時。メールでの相談も受け付ける。
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