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【経済】

市場駆け巡る「トランプ・ショック」 日本企業が関税警戒

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 トランプ氏は大統領選で、安い外国製品の輸入が米国民の雇用を脅かすと訴え、輸入品に対し高い関税を課すと訴えてきた。トランプ大統領の誕生は、日本の自動車・電機企業や中国企業と取引のある企業など日本の製造業に逆風になりかねない。大統領選で米国第一主義を繰り返し訴えたトランプ氏は、安倍晋三政権が力を入れる環太平洋連携協定(TPP)についても「米国の自動車産業の雇用は日本に奪われる」と強調してきた。

 日本の自動車メーカーは、米国で現地生産するほか、北米自由貿易協定(NAFTA)で米国への輸出に関税がかからないメキシコに工場を建設し、利益を上げてきた。TPPの発効に見通しが立たなくなっているうえ、トランプ氏はNAFTAの見直しにも言及しており、日本企業はこれまでの経営戦略の変更を迫られる可能性がある。

 さらにトランプ氏は中国などで委託生産する米アップルの製品に関して、不買運動を呼び掛けたこともある。アップルに部品を供給するソニーや京セラ、村田製作所など多くの日本企業にも影響が広がる恐れがある。

 トランプ大統領に日本企業の警戒感は高まるが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の秋山士郎米州課長は「米国は世界貿易機関(WTO)の加盟国である以上、関税率をすぐ上げるのは難しい。法人税の減税で済ませる可能性もある」との見方を示している。 (妹尾聡太、伊藤弘喜)

 

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