海外で爆発的に繁殖!日本から持ち込まれた植物がすごいことになっている
小野寺葉月
最近外来種問題について耳にすることが増えたと思うのですが、今回は日本から海外へ持ち込まれて大繁殖をしている植物をご紹介します。
クズ
クズは秋の七草にも入っており、日本では古くから親しまれている植物です。根は山芋のように肥大化し、それをくず粉や漢方薬(葛根)に加工したり、葛湯などでも親しまれています。
▼マメ科特有の形の花がブドウのようになっているクズの花
アメリカで大繁殖しているクズ
1876年のフィラデルフィア万国博覧会で、明治政府が日本館を出展した際、会場装飾として使用する為に初めてクズが持ち込まれました。それをきっかけに、東屋やポーチなどの装飾として人気になりました。また、家畜の飼料として1920年代ごろからよく輸出されてるようになり、1930年代には河川の土壌をせき止めるため、土砂流出を防ぐため、またたく間に広がっていきました。それが制御できなくなって、現在では3万㎢にも広がっていると言われているそう。3万㎢って全く想像がつかないのですが、日本の面積は38万㎢で、九州が3万6千㎢なので九州より少し狭いくらいの面積にクズがびっしり生えているということです!クズの生命力にもびっくりですが、アメリカの広さにもびっくりですよね。ちょっと写真を見てみましょう。
モ、モンスターかな?
▼成長のスピードがとても速いので、たくさんの木にまきついて覆うまでになってしまう
▼クズが家を飲み込んだ。。。中心部には家があった様子。
すごい・・・!多年草なので、駆除して根をのぞかない限り毎年発生してしまうということですよね。
▼そしてこれがクズの根。サツマイモみたい。掘り出すのはタイヘンだ。。。
イタドリ
イタドリはタデ科の多年生植物で、日本では山菜として親しまれています。きんぴらにしたり、水につけてじゅんさいのような食感にしてから食べたり、水煮にして味噌汁に入れたり地方によって様々です。
▼右がイタドリ。竹のような節があります。左はリュバーブ
イタドリに降参したイギリス
19世紀にシーボルトによって観賞用に持ち込まれたイタドリは、現在では大・大・大繁殖してしまいました。天敵が存在しないこと、生育環境が合致したことで、園芸用のイタドリは爆発的に広まりました。
イタドリで不動産価値が下がる!?
イタドリは地下茎をどんどん増やし、増えたそばからどんどん地表へ伸びてきます。その勢いはタイヘンなもので、コンクリートもつきやぶり、住宅の基礎部分や排水溝などを突き破って伸びてしまいます。一部の銀行は、イタドリを駆除しないと、ローンを受け付けないとしているそう。
不動産のオーナーはみな、駆除に必死なんだとか。。。また、直接この植物が生えていなくても、近所に生えているだけで資産価値が下がる(!)とのことで・・・。
日本ではなぜ広がりすぎないのか?