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『遊星から来た兄弟』の放映日時とあらすじ
★ 昭和41(1966)年11月13日
こちらのサイトで本編(25分程度)をご覧になれます。
【突然、東京の街を地獄と化した恐ろしい霧。
この異変はただちに科学センターに報告され、
森田博士のグループが調査に乗り出した。
そしてわが科学特捜隊本部では-】
ムラマツはアラシとイデに市内のパトロールを、
ハヤタには上空の調査を命じた。
隊員になったばかりのホシノ少年も任務に行きたがったので、
ムラマツはハヤタに同行するように言った。
しかし、アキコが霧に放射性物質が含まれているというと、
ホシノ少年には留守番を命じた。
ムラマツのもとにやってきた森田博士は、
霧が宇宙から降ってきたものだと語る。
ここ数ヶ月の間、地球上では原子力の実験をしていないからだ。
そんななか。
アラシとイデは街中で黒ずくめの服で歩く人影を発見した。
その正体は宇宙人で、アラシがスパイダーを撃つと消えた。
かれはアラシの本部への通信に割り込んだ。
モニターに映った姿を見て本部にいるムラマツらは驚くが、
宇宙人は第8銀河系から来たザラブ星人で、
地球人とは兄弟のような関係だと語った。
上空を飛行中のハヤタは土星ロケットを見つけるが、
森田博士は、1ヶ月前に出発したはずだからおかしいという。
ザラブ星人は科特隊本部に現れると、
木星軌道上で遭難していた土星ロケットを誘導したと言った。
「もし私が助けなければ、宇宙の藻屑になっていた」と、
いかにも善人という口ぶりで話すのだった。
しかし、アラシはその話を信用しなかった。
ザラブ星人は「どうしたら信じてもらえるのかね?」と問い、
これに対してムラマツは、街中の霧を消したら信じると答えた。
ザラブ星人は東京中に立ち込めていた霧を一瞬で消したので、
科特隊の面々はかれを信じ、賓客としてもてなした。
だが、防衛軍の上層部は、
科特隊がザラブ星人を受け入れたことを危惧していた。
果たしてそれは現実のものとなった。
イデは催眠術をかけられて操られ、
アラシはアキコに化けたザラブ星人によって眠らされてしまう。
そして、上空で土星ロケットを見つけたハヤタが見たものは、
観測員を奴隷のように扱うザラブ星人の姿だった。
真相をすべて知ったハヤタは、地球に帰還しようとするのだが-。
視聴率および出演者など
視聴率 : 39.8%
ハヤタ : 黒部進
ムラマツ : 小林昭二
アキコ : 桜井浩子
イデ : 二瓶正也
アラシ : 石井伊吉
ホシノ : 津沢彰秀
森田博士 : 土屋嘉男
防衛軍司令官 : 高田稔
村木医師 : 森山周一郎
宇宙局員A : 勝部義夫
宇宙局員B : 住吉正博
防衛会議メンバー : 金城哲夫(カメオ出演)
ウルトラマン : 古谷敏
ザラブ星人 : 青野武
にせウルトラマン : 池田文男
ナレーション : 石坂浩二
制作順 : 19
監督 : 野長瀬三摩地
特技監督 : 高野宏一
脚本 : 南川竜、金城哲夫
(敬称略)
妙香の感想
友好的な振りして人間をだますというのは、
ザラブ星人もなかなか狡猾ですね。
危険な霧もはなから地球侵略の手段のために、
かれが撒いていたんですよ。
でも、そんな回りくどいことをしなくても、
もっとストレートに攻撃する方法もあったのでは?と思いました。
ただ、ザラブ星人は強力な怪獣を持ってないですし、
ウルトラマンと科特隊に対する信用を失くすのが目的なので、
わざわざ面倒な芝居をしたんです。
金城先生のシナリオは「人間の信頼」について書かれたものが多く、
「正義」についても問いかけてくる話がありますね。
単なる怪獣バトルではなく、
こうした人間ドラマや社会問題などを取り上げるところが、
ウルトラシリーズがヒットした要因ではないかと思います。
ちなみに、にせもののウルトラマンが登場しましたが、
今回が記念すべき第1号なんですよ。
のちのシリーズでは「イーヴィル・ティガ」という、
なかなかカッコいいにせものも登場しました。
またザラブ星人の中の人は、
銀河英雄伝説で同盟軍の参謀ムライを演じた青野武さんです。
2つの作品の意外な接点がみつかって、
私はうれしくなりましたよ。
次回は『悪魔はふたたび』です。
ウルトラシリーズとの出会い
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