【動画】自動走行するバスを公道で走らせる全国初の実証実験
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 自動走行するバスを公道で走らせる全国初の実証実験が13日、秋田県仙北市であった。国の地方創生特区に指定されている同市と内閣府が主催し、バスは山本幸三・地方創生大臣や公募の市民ら約60人を乗せて、観光名所・田沢湖畔の県道を往復した。山本大臣は「(運転手がいないのは)不思議な感じだが、乗り心地は素晴らしい。大いに発展してほしい」と実用化に期待を込めた。

 実験は、内閣府がIT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)に委託し、フランス製の電気自動車を使って実施された。乗客らが車内のスタートボタンを押すと、ドアが閉まって動き出し、センサーやGPSなどで位置を確認しながら自動で走行する。この日は、一般車両を通行止めにした県道約400メートルの区間を時速約10キロで4往復した。

 仙北市は人口約2万7千人、高齢化率は約40%に達し、過疎・高齢化が進む。試乗した市内の男性(43)は「実用化されれば、お年寄りには便利になる」。門脇光浩・仙北市長は「湖畔一周の定期観光バスや住民の足の確保などに活用できれば、過疎地の生き残りにつながる」と意気込む。内閣府などは試乗者へのアンケートなどを踏まえ、法整備や安全技術の検討をさらに進めるとしている。(金井信義)