億年もの歴史を重ねる、竜と獣と魔法の世界バニシオン。
長大な歴史の中で、様々な種族が幾度となく世界に覇を唱えては消えるように、支配者の興亡と交代が続いてきた。
戦乱の世の常で、異種族との戦いで滅ぶものもあれば、支配力を維持できないことで自ら滅んでいくものもあった。
しかしそうした中で、常軌を逸脱し、惑星規模での弊害を及ぼすほどの影響力を持つに至るものが、希に現れることがある。
「他勢力を蹂躪し、その支配者が自滅に至るまでに、自然界に致命的な打撃を与えうる危険性のある生命を、事前に淘汰する」
これがバニシオン自然界における普遍の鉄則であり、その神罰は
【神聖鉄槌戦争(神槌)】と呼ばれ、畏れられている。
神槌を行使するものが何者であるのか、それは人知の及ぶところではなかったが………
神竜属、巨人属、不死属、エルフ属、恐竜属といった主だった種族は、過去にそれぞれが神槌の猛威の前に屈し、節度ある自然界の住人として、滅亡することなく生き延びてきた。
そして今再び、新たに世界に覇を唱えるべく勢力を拡大しつつあった人類が、神の裁断を仰ぐ時がきた………
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