スマートフォンでのSNS利用が減少傾向にあり、「交流ツール」から「情報収集ツール」への変化がみられる、との調査結果をJTB総合研究所が公開しました。
「ポケモンGO」などの位置情報ゲームが旅行意欲を刺激する効果や、「人は映像を見るとその場を訪れなくても満足してしまうのか」などの項目が調査されています。
スマホのよく使う機能、SNSが減少!
スマートフォンでよく使う機能は、上位2つの「メール」「電話」が減少傾向にある一方、「メッセージ・チャットアプリ」は増加を続けています。
特徴的なのは「SNS」で、2013年の調査開始以来、初の減少傾向となっています。この傾向は、40代女性で横ばいになった以外、すべての性年代別で共通しています。
サービス別に傾向を比較すると、全体で増加傾向にあるのはLINE(74.9%→77.3%)、Instagram(13.9%→19.3%)の2サービスで、LINEは特に40代男性の利用率が59.2%から71.8%と伸びているのが目立ちます。
利用率が減少したサービスの中でも、TwitterとFacebookは全体的に減少傾向にあります。
SNS利用目的は「交流」から「情報収集」に変化
SNSの利用に関する意識では、「SNS経由での購入」「時間が取られるのでSNSの利用を減らした」が増加傾向にあります。一方で「昔の知り合いと再び交流」「見ている人を意識してネガティブな情報を出さないようにした」は減少傾向にあります。
JTB総合研究所はこの傾向について、<交流ツール>として広まったSNSが、人とつながりすぎることがストレスとなる「SNS疲れ」を感じた人が利用をやめ、ニュースや消費に関わる<情報ツール>へと変化しているのではないか、と分析しています。
位置情報ゲームによる変化は「ちょっと寄り道」
スマートフォンゲームの利用割合は、全体では57.5%で、若い年代ほど高くなります。「ポケモンGO」がきっかけで注目された位置情報ゲームで遊んでいるのは、全体では18.0%で、男女とも29歳以下で利用率が高くなっています。
位置情報ゲーム利用者に行動の変化を聞いたところ、「ちょっと寄り道した」が55.4%、「歩く距離が伸びた」が36.6%、「商業施設などで商品を購入」が13.4%と、日常の行動を少し広げる効果はあったようです。
一方、「わざわざ遠くまで出かけた(日帰り)」が4.8%、「わざわざ遠くまで出かけた(宿泊)」が0%と、遠方への旅行にはつながっていないようです。
東北3県で開催中の「ポケモンGO」のイベントのように、その土地ならではのイベントが、旅行関連の消費を刺激するきっかけとなるかもしれません。
人は映像を観ると旅行に行かなくても満足してしまうのか?
YouTubeなどの動画やGoogleストリートビューなどで、世界各地の景色などを手軽に見られるようになりました。「人は、映像で満足し、その場所を訪れなくても満足してしまうのか」という疑問についても調査されています。
映像視聴と旅行意欲の関係についての質問では、「行きたくなって実際に訪れた」が19.7%、「行きたくなったが実際には訪れていない」24.8%と、映像がきっかけで旅行への意欲が高まる傾向がありました。逆に「映像を観て、行かなくても良いという気持ちになった」は6.0%と少数派でした。
調査は、2016年9月24日から26日の期間インターネットで実施され、首都圏、名古屋圏、大阪圏に住む18歳から69歳までの男女からスクリーニング調査で抽出した、プライベートでスマートフォンを利用し、過去1年以内に1回以上の国内旅行(日帰りも含む)をしたことがある1,030名から回答を得ています。
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Source:JTB総合研究所
(hato)