NHKニュース7 2016.11.09


号外です。
大統領、トランプ氏に決まりました。
号外です。
トランプ氏の勝利に、株価は急落。
トランプ・ショックの様相となりました。
こんばんは。
ニュース7です。
きょうは時間を1時間に拡大してお伝えします。
アメリカメディアは、驚くべき番狂わせだと伝えました。
激戦を制したのは、共和党のドナルド・トランプ氏でした。
過激な発言で話題を集めてきたトランプ氏。
政治家として公職に就いたことがなく、軍人としての経験もない、初めての大統領が誕生します。
また、現在70歳。
これまでで最も高齢の大統領になります。
ではトランプ陣営を取材している須田記者に聞きます。
須田さん、先ほどまで熱気に包まれていた陣営ですが、今はどんな様子でしょうか。
トランプ氏が勝利宣言を行った、ニューヨーク・マンハッタンの会場です。
勝利宣言が終わってから、すでに2時間半がたちまして、現在はご覧のように、会場の設備の撤収が進められています。
ただ、支持者の多くは、勝利宣言が終わっても、興奮が冷めやらない様子でして、この場にしばらくとどまって、笑顔で抱き合ったり、握手をしたりして、トランプ氏の勝利を祝う姿が見られました。
支持者の男性に、トランプ氏の勝利について感想を聞いたところ、とてもうれしい。
選挙の前、メディアがトランプ氏は劣勢だと伝えていたので、勝利してとても驚いていると話していまして、支持者の一人としても、驚きを隠せない様子でした。
また別の女性は、トランプ氏は、今の世の中に必要な変革を成し遂げてくれると思うと、興奮気味に話していまして、トランプ新大統領に期待を寄せていました。
一方で、ここニューヨークで、最後までクリントン氏が優勢だったこともあり、会場の外では、多くの市民の間で、衝撃や落胆も広がっています。
選挙を通じて、過激で差別的ともいえる発言で、社会の分断をもたらしたと批判されてきたトランプ氏が、国民の融和を図りながら、どのような国造りを進めていくのか、目が離せない状況が続きます。
アメリカのメディアが、驚くべき番狂わせだと伝えている動きを追いました。
投票が始まったのは、日本時間の昨夜8時。
トランプ氏は、メラニア夫人らと地元のニューヨーク州の投票所を訪れました。
クリントン氏も、地元のニューヨーク州で、夫のビル・クリントン元大統領と1票を投じました。
日本時間のけさ8時、世界中の目が注がれる中、開票が始まりました。
多くの人たちが開票状況を見つめます。
接戦が予想された州で、トランプ氏が次々と勝利。
一方、クリントン氏の陣営の責任者は、現地時間の9日午前2時過ぎ。
陣営としては、勝敗が判明するのは、アメリカ時間で夜が明けてからになるとの見方を示しました。
しかし、その後。
主要メディアのFOXニュースが、AP通信に続き、トランプ氏の当選確実を伝えました。
世界に衝撃が走りました。
イギリスのBBCは。
韓国では。
激戦を制したトランプ氏。
政治家として公職に就いたことがなく、軍人としての経験もない初めての大統領になることが決まりました。
過激な発言で話題を集めてきたトランプ氏。
ここまでの道のりを振り返ります。
ドナルド・トランプ氏70歳。
裕福な家庭の第4子として、ニューヨークで生まれ、大学のビジネススクールで学んだあと、父親が営む会社を引き継ぎました。
その後、ニューヨーク・マンハッタンに高層ビル、トランプタワーを建てたほか、全米にカジノやゴルフ場を展開。
不動産王として知られてきました。
過去には映画に出演したほか、テレビ番組での、この決めぜりふが有名になりました。
政治経験はありませんでしたが、去年6月に共和党から立候補を表明。
知名度は高かったものの、当初は、党の指名争いを勝ち抜くのは難しいと見られていました。
しかし。
歯に衣着せぬ過激な発言で、注目を集めます。
政治経験がないことを売りに、既存の政治に不満を持つ層を中心に、幅広い支持を受け、党の正式な候補として、指名を勝ち取りました。
著名人に囲まれ、華やかな表舞台で活躍する一方、女性を巡る問題発言やスキャンダルも浮上し、批判を浴びたトランプ氏。
逆風に逆らうように、強気の選挙戦を貫いてきました。
一方、敗れたクリントン氏。
アメリカ初の女性大統領を目指しましたが、トランプ氏に一歩及びませんでした。
ヒラリー・クリントン氏は69歳。
中産階級の家庭で育ち、弁護士を目指して、ロースクールに進学。
後に夫になるビル・クリントン元大統領と出会いました。
ファーストレディー時代から才女として注目され、日本でも人気を集めました。
女性の権利を切り開く象徴的存在。
それを印象づけたのが、国連の会議での、この演説でした。
夫が不倫を巡る偽証疑惑で苦境に立たされたときも、最後まで支え、強い女性のイメージが定着しました。
上院議員を経て、大統領選挙に初めて立候補したのは、2007年でした。
当初は最有力候補でしたが。
変革を掲げるオバマ大統領と激しい競り合いの末、撤退。
その後、オバマ政権1期目の国務長官を務めました。
そして。
去年4月、民主党の指名争いに、再び名乗りを上げました。
今回も最有力候補と見なされながら、再び壁が立ちはだかります。
格差是正を前面に掲げて、若者の人気を集めたサンダース上院議員に苦戦を強いられます。
黒人やヒスパニック系の有権者の支持を固めて、指名を獲得したクリントン氏。
女性初の大統領を目指して、アメリカの団結を訴えてきました。
では、ワシントン支局の油井記者に聞きます。
油井さん、今回の開票結果についてですね、そちらではどのように受け止められているんでしょうか。
ここ、ワシントンでは、大変な驚きを持って受け止められています。
アメリカのオバマ政権は、まだ正式な反応を出していませんが、アメリカ政府の関係者で、トランプ氏が勝利すると予想していた人は、ほとんどいませんでした。
アメリカの主要メディアも、開票の前は、クリントン氏が優勢と伝えていただけに、今回の選挙結果を、驚くべき番狂わせと、大きく報じています。
最終盤にトランプ氏が追い上げたわけですけれども、何が勝敗を分けたんでしょうか。
アメリカ国民が抱く不満や怒りを、投票へと結び付けた結果だと思います。
アメリカでは、経済格差が拡大していまして、中間労働者層が減少しています。
トランプ氏は特に、白人の労働者層にターゲットを絞って、支持を訴えてきました。
今回、トランプ氏が勝利した州を見てみますと、中西部オハイオ州に加えて、クリントン氏が優勢と伝えられていました、東部ペンシルベニア州と、中西部ウィスコンシン州で勝利しています。
この3州は、かつて鉄鋼や重工業が盛んだった、いわゆるラスト・ベルトと呼ばれる地域で、現在の経済状況に不満を抱く、白人の労働者層が多いことで知られているんです。
トランプ氏は最終盤、頻繁にこの3州に足を運び、支持を訴えました。
まさしくトランプ氏の戦略どおりに支持が広がったといえます。
トランプ氏は、日本との関係について、どのように考えているのか。
日本との関係を巡る発言をまとめました。
アメリカの利益を最優先とする、アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏は、国際紛争などでのアメリカの負担を小さくすると主張。
アジア政策では、日本と韓国に対して、駐留するアメリカ軍の経費の負担をふやすよう求める考えを示していて、日米関係にも影響が出る可能性が指摘されています。
また、TPP・環太平洋パートナーシップ協定については、離脱を主張しています。
自由貿易によって、アメリカの製造業は被害を受けてきたとするトランプ氏。
保護主義的な姿勢を打ち出しています。
再び、ワシントンの油井記者に聞きます。
油井さん、トランプ氏は、日本にはどのような姿勢で臨むんでしょうか。
同盟国というより、アメリカ第一主義を掲げているビジネスマンとしては、日本を交渉相手国として臨むとしています。
トランプ氏の陣営は、トランプ氏が大統領に就任すれば、安全保障面で、日本に対して、さらなる負担を求めて、日本政府と交渉するとしています。
日本との安全保障条約を見直し、公平な負担を求めていくと話しているんです。
具体的には、費用面でのさらなる負担のほか、自衛隊の役割の拡大も求めるとしています。
さらに、トランプ氏の外交政策チームのメンバーは、アメリカの提供する核の傘などの抑止力に対しても、日本側と協議する必要があるとしています。
核の傘の提供は、アメリカに負担が大きく、日本の核保有の容認も、今後の検討材料の一つだと指摘しているんです。
では、トランプ氏の勝利をどう受け止めるのか、日本国内の反応です。
東京株式市場は、さながらトランプ・ショックの様相となりました。
日経平均株価は、一時、1000円以上急落。
きょうの終値は、きのうより919円84銭安い、1万6251円54銭でした。
東京外国為替市場も荒い値動きに。
銀行のディーリングルームでは、慌しい対応が続きました。
きょうは開票が進むにつれて、急激に円高が進みましたが、共和党のトランプ氏の当選が確実と伝えられたあとは、値上がりした円を売る動きも出ています。
日本経済への影響は。
懸念の声も出ています。
財務省と金融庁、それに日銀は、緊急の会合を開き、金融市場の動きを注視し、投機的な動きが続く場合は、必要な対応を取ることを確認しました。
安倍総理大臣は、先ほど記者団に対して、次のように述べました。
一方で、日米関係の焦点の一つだった、TPP・環太平洋パートナーシップ協定。
トランプ氏が勝利したことで、協定の発効は不透明になるのではないかという見方が広がっています。
交渉に当たったこの人は。
在日アメリカ軍の専用施設の74%を抱える沖縄では。
沖縄県の翁長知事は。
日本の核保有を容認する考えを示したトランプ氏について、被爆地からは。
稲田防衛大臣は、日米関係について。
日米関係について、さまざまな声を聞きましたが、ここからは、日米関係の今後について、政治部、外務省キャップの松本記者とお伝えします。
松本さん、まずこのトランプ氏の勝利、日本政府はどう受け止めているんでしょうか。
衝撃をもって受け止めているというのが、正直なところだと思います。
外務省幹部は、想定内と言いたいところだが、意外な結果だと、率直に話していました。
激しい選挙戦が最終盤になっても続きましたが、外務省関係者からは、最後はクリントン氏が逃げきるのではないかという声が多く聞かれました。
そこには、クリントン氏が勝てば、オバマ政権の政策が基本的に引き継がれるという期待感もあったと思います。
政府関係者からは、トランプ氏は何を考えているのか分からない部分が多いなどと、戸惑いの声も上がっています。
日本政府としては、トランプ氏が実際にどのような外交・安全保障政策や、経済政策を打ち出すかを把握するため、早急に人脈作りを進める必要があるとしています。
選挙期間中から、ワシントンにある日本大使館の関係者が、トランプ陣営との接触を図っていましたが、本格的な人脈作りはこれからです。
安倍総理大臣は、外交政策を担当する、河井総理大臣補佐官に、来週、ワシントンを訪問し、新政権の関係者と面会するよう指示しました。
トランプ氏は、これまで、在日アメリカ軍の駐留経費の増額を求める考えですとか、日本や韓国の核保有を容認する考えなどを示しています。
外交や安全保障分野では、どのような影響がありそうですか?
今の段階で明確なことは言えません。
政府は、日米同盟は外交の基軸だとしていまして、アジア太平洋地域の平和と安定のため、トランプ氏の政権と緊密に連携していく方針は変わらないとしています。
ただ、政府内には、トランプ氏が、日米同盟の重要性をどこまで理解しているのか、疑問視する声があるのも事実です。
また対中国、対ロシア政策は、全く読めないと話す外務省幹部もいます。
日本政府としては、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮。
海洋進出の動きを強める中国。
さらには、南シナ海を巡る問題など、安全保障環境が厳しさを増す中、日米安全保障体制は、日本の防衛だけでなく、東アジアの平和と安定に重要な役割を果たしていることを、丁寧に説明し、理解を求めていくことになりそうです。
そして、経済政策ですけれども、トランプ氏は、TPPには反対の考えを繰り返し示していますね。
今後の見通しはどうなるんでしょうか。
安倍政権は、TPPを成長戦略の重要な柱と位置づけておりまして、早期の発効を目指していますけれども、TPPから離脱すると主張してきたトランプ氏が勝利したことで、先行きは一層、不透明になったと言わざるをえません。
オバマ大統領が来年1月までの残りの任期の間に、TPPの議会承認を目指して、努力を続けていることから、当面は、それを見守ることにしています。
また今後、アメリカの経済政策が保護主義的な色彩を強めることも予想されます。
日本にも影響が出かねません。
日本政府としては、世界経済やアジア太平洋地域の安定のため、これまでと同様、積極的な役割を果たすよう、トランプ氏が発足させる新しい政権に働きかけていくことになりそうです。
政治部、外務省キャップの松本記者とお伝えしました。
トランプ氏の勝利を、各国はどう受け止めているんでしょうか。
まず中国・北京です。
習近平主席はこのあとトランプ氏に、祝いのメッセージを送り、米中のさらなる協力を呼びかけて、両国の関係発展に期待を表明するものと見られます。
中国は、ビジネス界出身のトランプ氏は、実利主義者であり、中国がアメリカの重要な貿易相手国である以上、徹底的な対立は避け、ウィン・ウィンの関係を維持するはずだと期待しています。
さらにトランプ氏は、TPP・環太平洋パートナーシップ協定に、当初から明確に反対していたほか、日本や韓国との同盟関係の見直しにも言及するなど、オバマ政権が進めてきた、アジア重視の政策を再検討する考えを示唆しています。
そうであるなら、中国がアジアの盟主となって、アメリカとの対等な大国関係に、さらに一歩近づくことができます。
ただ、その一方で南シナ海の問題では、アメリカ軍の増強に言及するなど、真意をはかりかねる部分もあり、中国はトランプ氏の出方を探るため、来年1月の大統領就任に向け、南シナ海で、海洋権益を拡大させる動きをちらつかせ、新政権を揺さぶってくる可能性もあります。
続いてソウルです。
韓国では、トランプ氏の勝利をどのように見ているんでしょうか。
韓国でも、トランプ氏の勝利は、驚きをもって受け止められていて、政府内では、動揺もうかがえます。
開票が進むにつれて、トランプ氏の優勢が伝えられますと、大統領府は急きょ、NSC・国家安全保障会議の常任委員会を開いて、トランプ政権誕生が、北朝鮮と対じする、韓国の安全保障に与える影響を、改めて分析しました。
そして、NSCからの報告を受けたパク・クネ大統領は、北朝鮮の核やミサイルの脅威は高まっているとして、トランプ氏が大統領に就任する前の段階から、新政権との協力関係を構築するよう指示しました。
慌ただしい動きの背景には、トランプ氏が選挙戦で米韓同盟の在り方に異議を唱え、在韓米軍撤退というシナリオもちらつかせるなど、韓国に、不安を与える発言を繰り返したためです。
トランプ政権の発足を受けて、韓国内では、核武装論が盛り上がる可能性もあるだけに、政府としては、トランプ氏との意思疎通を図り、対北朝鮮政策で足並みをそろえる重要性を説明することが、喫緊の課題となっています。
以上、ソウルからお伝えしました。
続いてロシアです。
ロシア国内では、どう受け止められているんでしょうか。
プーチン大統領は、トランプ氏に、早速祝電を送り、今の米ロ関係を、危機的と位置づけ、この状況から脱するとともに、国際問題の解決に向けて、協力することに期待を示しました。
ロシアは、トランプ氏がアメリカは、世界の警察官であり続けることはできないと述べたことを、歓迎しています。
アメリカへの一極集中に反対してきたからです。
またトランプ氏がグローバル化の行き過ぎを批判していることも、国家の主権を強調するプーチン大統領の姿勢と合致します。
袋小路に陥っているシリアの内戦や、ウクライナ東部の紛争を巡る対話が、進展することにも期待しています。
さらに、北方領土問題の解決に向けて、ロシアとの関係強化を図る日本をはじめ、アメリカの同盟国への関与の度合いを下げることにも、関心を持っていると見られます。
その一方で、トランプ氏の支持基盤である共和党の中には、ロシアに対する警戒や反発も根強いものがあります。
ロシアとしては当面、国務長官など、対ロ関係を担う新政権の人事を注視していくことになると思います。
以上、モスクワからお伝えしました。
そしてフランス・パリです。
ヨーロッパではトランプ氏の勝利を、どう受け止めているんでしょうか。
トランプ氏の勝利について、フランスの地元テレビ局は、トランプ氏の激震と速報で伝え、衝撃の大きさを物語っています。
フランスのエロー外相は、地元メディアの取材に対し、同盟国アメリカとは、世界平和のために密接に連携していかなければならないとしながらも、トランプ氏がどういう姿勢で外交政策を進めるのか、まずは冷静に見極めるべきだという考えを示しました。
またヨーロッパ各国で、難民の受け入れに反対する政党が躍進する中、トランプ氏の勝利が内向きの世論に影響を及ぼす可能性もあります。
フランスの復権を訴え、来年春の大統領選挙の有力候補と見られる、フランスの極右政党、国民戦線のルペン党首は、いち早くトランプ氏に対して、祝福のメッセージを送りました。
一方、中東情勢を巡り、トランプ氏は、シリアの内戦について、アサド政権の退陣より、過激派組織ISの壊滅を優先させるべきで、対立してきたロシアとの協調を主張するなど、オバマ政権の中東政策を、大きく転換させる可能性があります。
トランプ氏は勝利宣言で、各国と強調する姿勢を示しましたが、今後、具体的にどのような外交政策を打ち出すかに各国の注目が集まっています。
パリからお伝えしました。
一方、世界各国の受け止めをお伝えしました。
では再び、ワシントンの油井記者に聞きます。
油井さん。
驚きを持って受け止められたという、このトランプ氏の勝利ですけれども、この結果から、アメリカ社会のどのような現状が見えてくるといえそうですか。
アメリカの現状に不満や怒りを持つ人たちが、予想以上に多いということです。
まずは経済状況です。
アメリカはリーマンショックのあと、経済状況は緩やかな成長を続けていますが、それは指標、データ上だけで、一般の国民はその恩恵を感じられていません。
特に、所得の上位1%の人たちが、全体の所得の20%近くを占めるようになるなど、アメリカの経済格差が広がっていて、不満が強まっているんです。
もう一つは、アメリカの人口構成の変化に対する、白人の危機感があると思います。
白人は、50年前は84%と、圧倒的多数でしたが、現在は中南米出身者のヒスパニック系が急増しまして、白人はおよそ60%に減少しました。
賃金が安いヒスパニック系に仕事を取られる白人も多く、そうした白人の不安や危機感が、移民排斥を訴えるトランプ氏への支持につながったと見られています。
そうした状況を背景に誕生した、このトランプ氏の新政権なわけですけれども、どのような課題があると考えられますか。
トランプ氏のこれまでの過激な発言や、敵対的ともいえる言動のため、トランプ氏を嫌いと答える人は多く、特に黒人やヒスパニック系の、いわゆるマイノリティーの間で支持する人は、少ないといえます。
トランプ氏を嫌いと答える人が、6割近くに上っている世論調査もあります。
さらに同じ共和党内でも、トランプ氏には投票しないと明言した人が相次ぎました。
特にこれまで、外交安全保障を担った共和党の人たちの多くは、反旗を翻しました。
このためトランプ大統領が誕生すれば、アメリカの分断はさらに深まると見られます。
トランプ氏は、きょうの勝利演説で、国民の融和を訴えましたが、分断は深く、国が団結するのは容易ではなく、かなり厳しい情勢だといえます。
お伝えしていますように、アメリカ大統領選挙は、過激な発言で話題を集めてきた、共和党のトランプ氏が、民主党のクリントン氏に勝利しました。
トランプ氏は、分断の傷を修復し、共に結束していく時だと演説し、次期大統領として激しい選挙戦で分断された国の融和を図る考えを示しました。
8日、全米で投票が行われた大統領選挙。
アメリカのABCテレビによりますと、共和党のトランプ氏は、28の州を制して、当選に必要な過半数を超える、278人の選挙人を獲得し、民主党のクリントン氏に勝利しました。
トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を築くといった過激な主張を繰り返し、共和党の主流派から反発を招きましたが、こうした主張や、オバマ政権の8年間の政策について、厳しい批判を繰り返したことが、現状に不満を抱く有権者の共感を得たものと見られます。
またアメリカを再び偉大にするというスローガンを掲げるなど、外交と内政の両面で、アメリカの国益を最優先にする方針を示し、これまで民主党が優勢だった州でも、トランプ氏が支持を獲得しました。
アメリカメディアは、アウトサイダーのトランプ氏が、有権者の不満を力に変えて、驚くべき番狂わせを演じたと伝えています。
トランプ氏は、1946年6月14日生まれの70歳で、これまでで最も高齢の大統領になります。
政治家として公職に就いたことがなく、軍人としての経験もない初めての大統領になります。
一方、女性初の大統領を目指した、民主党のクリントン氏。
18州と首都ワシントンを制して、218人の選挙人を獲得しましたが、トランプ氏から、既存の政治家と位置づけられ、有権者からは富裕層の代表とも見られました。
国務長官在任中に、私用のメールアドレスを公務に使っていた問題が再燃したこともあり、幅広い支持を得られず、トランプ氏に及びませんでした。
では、次のニュースです。
きのう、福岡市のJR博多駅前で、道路が大規模に陥没した現場のこちら、今の様子です。
特殊な土砂を投入して、穴を埋め戻す作業が続いています。
福岡市は、今月14日を目標に、現場付近の通行を再開させる方針です。
うわ。
きのう、大規模に陥没した、JR博多駅前の道路。
現場では、夜を徹して、陥没した部分を埋め戻す作業が続けられました。
ミキサー車が次々と到着。
土砂を投入していきます。
必要な土砂は、少なくともおよそ7000立方メートル。
使われているのは、セメントなどを混ぜた、流動化処理土と呼ばれる特殊な土砂です。
投入後、1日ほどたつと、固まって強度が増すという特徴があり、軟らかい地盤を改良する際などに使われています。
福岡市によりますと、水道管や送電線など、ライフラインの復旧作業に着手するには、地下3メートル付近まで埋め戻す必要があり、きょう中にも達する見込みだということです。
市は今月13日までに、ライフラインを仮復旧させることにしています。
営業休止などの影響が出た商業施設の中には、営業を再開する動きも出ています。
こちらの飲食店では、きのう、停電で冷蔵庫が使えず、食材を廃棄したり、別の店舗に運び出したりしたため、従業員が新たに食材を運び込んで、仕込みをしていました。
国土交通省九州運輸局は、陥没の原因とされる、地下鉄の工事を行っていた、福岡市交通局に対し、きょうも立ち入り検査を行いました。
次はTPP・環太平洋パートナーシップ協定を巡る、国内の動きです。
衆議院議院運営委員会は、理事会で、国会承認を求める議案などの衆議院本会議での採決について、協議しましたが、与野党は折り合わず、佐藤委員長は、あす、本会議を開いて採決することを職権で決めました。
これに対し、民進党など野党4党は、採決は認められず、山本農林水産大臣に対する不信任決議案の提出も視野に、結束して対応していくことで一致しました。
きょう午前、自民、公明両党の幹事長らは、あすの衆議院本会議で採決する方針を確認したうえで、山本大臣に対する不信任決議案が提出されれば、一致して否決することも申し合わせました。
そして、午後開かれた衆議院議院運営委員会の理事会。
与党側は、あす、本会議を開き、採決したいと提案しましたが、民進党などは、アメリカ大統領選挙の結果を踏まえれば、採決を急ぐ必要はない。
政府・与党は山本大臣の辞任要求にも応じておらず、認められないとして反対し、折り合いませんでした。
このため佐藤委員長が、野党もじくじたる思いがあるかもしれないが、国会には会期があるので、一刻も早く参議院に送らなければならず、委員長として判断せざるをえないと述べ、あす本会議を開き、採決することを、職権で決めました。
このあと、民進、共産、自由、社民の野党4党の幹事長・書記局長が会談。
山本大臣が辞任しない中で、衆議院本会議で採決することは認められず、山本大臣に対する不信任決議案の提出も視野に、結束して対応していくことで一致しました。
ニュースを続けます。
40年来の知人らが逮捕され、窮地に立つ、韓国のパク・クネ大統領が、事態打開のため、与野党が推薦する人物を、新しい首相に起用する考えを示したことについて、野党3党の代表がきょう協議しました。
その結果、首相にどの程度、権限を委ねるのかはっきりせず、現時点で受け入れられないとしました。
その上で、12日にソウルで行われる大規模な抗議集会に党として参加するなど、大統領への圧力をさらに強める方針で一致しました。
東日本大震災の津波で犠牲になった、宮城県石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判。
1審の仙台地方裁判所の判決で、原告全員に対して、合わせて14億円余りの賠償を命じられた、石巻市と宮城県が控訴したことを受け、原告の遺族もきょう、控訴しました。
控訴の理由について、原告の弁護士は、1審判決の認定では、学校側の事前の津波対策が不十分だった過失を全く考慮していないなどとしています。
子どもの命を守るのは誰なんですかということを問いたいなと思ってます。
過労死をなくすための対策について考えるシンポジウムがきょう、東京で開かれ、去年、過労のため自殺した、大手広告会社、電通の元社員、高橋まつりさんの母親の幸美さんが講演しました。
東京都の小池知事は、きょう、都庁で名古屋市の河村市長と会談しました。
この中では、都市部で深刻になっている待機児童対策や行財政改革など、共通する課題について、連携して取り組んでいくことを確認しました。
一方、河村市長が地域政党の減税日本を率いていることから、今後の小池知事との政治的な連携については、引き続き協議していくことになりました。
佐賀県にある玄海原子力発電所3号機と4号機。
原子力規制委員会はきょう、安全対策が新しい規制基準に適合しているとして、再稼働の前提となる審査に事実上合格したことを示す、審査書の案が示されました。
重大事故が起きた場合でも、メルトダウンや、格納容器が壊れるのを防ぐ対策が有効だなどとしていて、審査書の案は、全会一致で取りまとめられました。
審査書の案が取りまとめられたのは、全国の原発で5か所目ですが、今後、検査や地元の同意などが必要で、九州電力の目指す再稼働は、早くて来年の夏以降になると見られます。
国内で開発が進められている囲碁ソフトが、トッププロ棋士と、ハンデなしで初めて勝負です。
アメリカのIT企業、グーグルのグループが開発した、最強の囲碁ソフトに対抗しようと、国内の開発者や研究者などが、ことし3月から開発を進めてきた囲碁ソフト、ディープゼンゴ。
ソフトの実力が飛躍的に高まったとして、今月19日から行われる、第2回囲碁電王戦で、史上最多のタイトル獲得記録を持つトップ棋士、趙治勲名誉名人を相手に、三番勝負に挑みます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックで実施される野球・ソフトボールの一部の試合が、福島県で行われることになりました。
先月、IOCのバッハ会長が、安倍総理大臣との会談で、東日本大震災の被災地で競技を開催する意向を示しました。
これを受けて開かれた、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の理事会で、大会で実施される野球・ソフトボールの一部の試合を福島県で行うことが承認されました。
競技会場については、福島市の福島県営あづま球場、いわき市のいわきグリーンスタジアム、郡山市の開成山野球場が候補に挙がっていますが、交通の利便性や観客席の規模などから、福島市のあづま球場で調整を進めているということです。
来週には国際競技団体の幹部が現地を視察したうえで会場を絞り込み、来月上旬のIOCの理事会で、承認を受けることになっています。
気象情報は福岡さんです。
こんばんは。
きょうは全国的に北風が強く吹いて、東京では木枯らし1号が吹きました。
私もちょっと、かぜ気味なんですけれどもね、風が冷たかったですね。
そうですね。
身にしみる寒さとなりました。
北日本は今も風が強いんですが、このあとの予想を見ていきますと、北海道は東部を中心に、あす昼前にかけて、暴風に警戒が必要となりそうです。
一方で、あすの気圧配置見ていきますと、低気圧、次第に離れていきますので、だんだん強い風も収まって、雪もやんでいく予想です。
ただ、西にはあす、低気圧が発生する予想で、この低気圧、次第に東へと進んでいきますので、西から天気は下り坂となりそうなんですね。
雨や雪の予想を見ていきましょう。
北日本の雪は、あす明け方にはやむ所が多くなります。
一方、西からは雨雲が近づいてくるんですね。
九州は午後から、そして東海など夜遅くなると、東日本にも雨雲がかかってくる予想となっています。
きょうは本当に寒かったんですけれども、あすは気温はどうでしょうか?
あすも寒さが続くんですね。
西日本も15度に届かない所が多く、12月並みの寒さという所が多いんですね。
東京は12度までしか上がらないんですね?
そうなんです。
あすは、きょうのような強い風は収まるんですけれども、寒さは、きょうより厳しくなりそうです。
ではあすの各地の天気です。
アメリカ大統領選挙は、過激な発言で話題を集めてきた共和党のトランプ氏が、民主党のクリントン氏に勝利しました。
トランプ氏は、分断の傷を修復し、共に結束していくときだと演説し、次期大統領として、激しい選挙戦で分断された国の融和を図る考えを示しました。
8日、全米で投票が行われた大統領選挙。
アメリカのABCテレビによりますと、共和党のトランプ氏は、28の州を制して、当選に必要な過半数を超える278人の選挙人を獲得し、民主党のクリントン氏に勝利しました。
トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を築くといった過激な主張を繰り返し、共和党の主流派から反発を招きましたが、こうした主張や、オバマ政権の8年間の政策について、厳しい批判を繰り返したことが、現状に不満を抱く有権者の共感を得たものと見られます。
またアメリカを再び偉大にするというスローガンを掲げるなど、外交と内政の両面でアメリカの国益を最優先にする方針を示し、これまで民主党が優勢だった州でも、トランプ氏が支持を獲得しました。
アメリカメディアは、アウトサイダーのトランプ氏が、有権者の不満を力に変えて、驚くべき番狂わせを演じたと伝えています。
トランプ氏は、1946年6月14日生まれの70歳で、これまでで最も高齢の大統領になります。
政治家として公職に就いたことがなく、軍人としての経験もない初めての大統領になります。
一方、女性初の大統領を目指した、民主党のクリントン氏。
18州と首都ワシントンを制して、218人の選挙人を獲得しましたが、トランプ氏から既存の政治家と位置づけられ、有権者からは、富裕層の代表とも見られました。
国務長官在任中に、私用のメールアドレスを公務に使っていた問題が、再燃したこともあり、幅広い支持を得られず、トランプ氏に及びませんでした。
トランプ氏の勝利、日本国内の反応です。
東京株式市場は、さながらトランプ・ショックの様相となりました。
日経平均株価は一時1000円以上急落。
きょうの終値は、きのうより919円84銭安い、1万6251円54銭でした。
安倍総理大臣は記者団に対して、次のように述べました。
いくよ!ガッテン!2016/11/09(水) 19:00〜20:00
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽アメリカ大統領選挙▽クリントン対トランプ・異例の激戦の勝者は?▽新大統領は何を語る?▽日本の安保・経済は?

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番組内容
夜7時、これさえ見れば1日が分かる。今日の日本・世界の今を、あなたのもとへ 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】池田伸子,松村正代,【気象キャスター】福岡良子
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】池田伸子,松村正代,【気象キャスター】福岡良子

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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 天気
スポーツ – スポーツニュース

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