トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

初のタイブレーク 菊池は遊撃守った

2016年11月13日 紙面から

日本−オランダ 延長10回表、ショートを守る菊池=東京ドームで(園田高夫撮影)

写真

◇強化試合第3戦 日本9−8オランダ

 侍ジャパンにとって初めての体験だった。延長10回から実施されたタイブレーク。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも導入は確実なだけに、小久保監督も「経験できてよかった」と振り返った。

 打順は前の回から引き継ぎ、無死一、二塁でスタート。まずは守備だ。オランダは7番ヴァンダーミーアからの攻撃で、指揮官は「バントの可能性が高い。ブルドッグを仕掛けよう」と腹をくくった。

 投球と同時に一塁手、三塁手が打者に猛チャージ。二塁手が一塁、遊撃手が三塁へベースカバーに走り、三塁封殺を狙うバントシフトだ。リスクも高い作戦が見事にはまる。1ボールからの2球目に仕掛けると、打者が自らの判断でバスターに切り替え、中飛に倒れた。無失点で切り抜ける流れが生まれた。

 攻撃も采配が当たった。日本は6番の大谷から。「(大谷)翔平の足ならゲッツーはない」と強攻を指示すると、あわや内野安打の三ゴロで走者がそれぞれ進塁。松田の敬遠四球を挟み、大野のサヨナラ打につながった。

 仁志内野守備走塁コーチは「代表チームは練習の場が少ないし、いくら練習でやっても試合の緊張感とは違う」と大歓迎した。野手を早めに交代したため、10回の遊撃手は本職でない菊池。想定外の起用も危機管理の点で有益だった。劇的なサヨナラ勝ちという結果以上に、最高の経験ができた。 (小林孝一郎)

<タイブレーク> 野球やソフトボールで、早期決着を目指して延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。今回の強化試合では延長10回以降の攻撃を無死一、二塁から開始する。打順は9回終了時点から引き継ぎ、先頭打者の直前の2人が走者となる。国際大会では2008年北京五輪のほか、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも09年と13年大会で採用された。

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ