エジプト “痛み伴う改革”に反発 各地で抗議デモのおそれ

エジプト “痛み伴う改革”に反発 各地で抗議デモのおそれ
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厳しい経済状況が続くエジプトに対して、IMF=国際通貨基金は日本円でおよそ1兆3000億円を融資することを決めましたが、エジプト国内では融資の条件として突きつけられた痛みを伴う改革に反対する抗議デモが各地で呼びかけられ、社会不安の広がりが懸念されています。
エジプトでは事実上の軍事クーデター後も続く治安への懸念などから、外国からの投資や観光業が低迷し、輸入品を中心に物価が上昇するなど、厳しい経済状況が続いています。
こうした中、IMFは11日、理事会を開き、エジプトに対して3年間で120億ドル(およそ1兆3000億円)の融資を行うことを決め、このうちおよそ3000億円は直ちに実行されました。
エジプト政府は、IMFからの融資を受けるために先週、為替相場の自由化や石油への補助金の削減に踏み切ったほか、今後、さらなる財政改革を進めるよう求められています。
しかし、国民の痛みを伴う一連の改革に反対して、エジプト国内では11日、各地で抗議デモが呼びかけられ、首都カイロでも厳しい警戒が敷かれました。
IMFの融資が効果を上げる前に国民の不満が高まれば、中東で最大の人口を抱えるエジプトが再び不安定化する事態も懸念されます。