大久保貴裕、伊沢友之
2016年11月12日22時34分
安倍晋三首相は12日、来日中のインドのモディ首相と、新幹線の車両を製造している川崎重工業兵庫工場(神戸市)を訪れた。インドは国内で7路線の高速鉄道計画を進める。日本側は、2023年開業予定のムンバイ―アーメダバード間(約500キロ)に続いて、残る6路線にも日本の新幹線方式を採用するよう働きかけており、首相自らトップセールスに努めた。
同日朝、安倍首相はJR東京駅でモディ氏を出迎えた。当初は別々の神戸入りも検討されたが、車中での異例のトップセールスが実現した。「『モディ氏とは気心の知れた仲。じっくり2人で新幹線について話したい』との首相の強い希望があった」(安倍首相周辺)という。首相は新幹線のホームで「1日数十万人が利用する」「ホームドアで安全性が増した」と説明。東海道・山陽新幹線「のぞみ」の車内でモディ氏と向き合って腰掛け、新神戸駅までの2時間45分、スピードや乗り心地、安全性を熱心にアピールした。両首相はワゴン販売でホットコーヒーを購入。モディ氏は品ぞろえに関心を示していた。
午後は川重の工場で、最高速度320キロで走る東北新幹線E5系車両の製造工程を見学した。モディ氏は素材や性能などを矢継ぎ早に質問。視察後に「インドは新幹線を楽しみに待っております」と話した。安倍首相は記者団に「大変気に入っておられた」と語り、トップセールスの成果に自信をのぞかせた。
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朝日新聞国際報道部