2016年11月12日22時58分
東京都立川市の病院敷地内で12日昼、乗用車が突然暴走し、2人の命が奪われた。遺族たちは知らせを受け、悲しみに暮れた。
立川署には亡くなった2人の家族らが駆けつけた。「まだ40歳手前なのに本当に悔しい」。安和(あわ)竜洋さん(39)の義理の父親(66)は声を詰まらせ、「少しこわもてだけど優しくて思いやりがあった。旅行に行くといつもおみやげを買ってきてくれた。涙が止まらない」と話した。安和さんが勤務する会社の社長(46)は「彼は役員でうちの仕事の要。惜しい人を亡くしてしまった」と語った。
安和さんの兄の良隆さん(47)と弟の和洋さん(38)は病院で報道陣の取材に応じた。「3兄弟の中で一番やさしく、面倒見がよかった」。良隆さんは幼い頃、3歳だった別の弟を交通事故で亡くしているといい、再び身内を失った衝撃に、肩を落とした。
市川妙子さん(35)は安和さんの知人だった。自宅近くに住む女性(41)によると、3人姉妹の真ん中で、母、姉と3人で暮らしていた。「いつも朗らかできれいな人。犬を連れて散歩する姿をよく見かけた。丁寧にあいさつをしてくれていたのに」と話した。
一方、事故を起こした乗用車を運転していた上江洲(うえず)幸子さん(83)は、夫が8月から入院し、ほぼ毎日、見舞いのために車で病院へ通っていた。近くに住む女性(75)によると、夫は高熱が続いて肺炎になり「ここ2、3日が山」と言われていたという。「1人で面倒を見て、疲労がたまっていたんだと思う。11日は徹夜で看病し、『ゆうべは大変だった。お父さんの冬支度を取りに来た』と話していた」と振り返り、ショックを隠せない様子だった。
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朝日新聞社会部