大学入試で初めて小論文という言葉にぶつかっている人もいると思います。
では、小論文って何でしょうか。
小論文とは
定義するなら
あえて定義するなら、「入学試験などの科目として課される決められた条件で書く文章」ということになると思います。「小」+「論文」なので、小さな論文なのではないかと思ったり、作文とはどう違うのかと思ったりしている人もいるでしょうが、まずは小論文にもいろいろあるので、小論文とひとまとめにして構えるのはあまり意味がないと思います。
小論文といってもいろいろ
例えば、医学部の入学試験ではほとんどの大学で小論文が課されます。その小論文にもおおまかに分けると次のようなパターンがあります。
1、単語など短い言葉の題材について書く形式
2、短い質問や指示に答える形式
3、課題文についての設問に答える形式
4、課題文を要約する形式
5、写真、絵、図や表についての質問に答える形式
中には「課題文についての設問に答える形式」でもほとんどが現代文の設問と変わらないものもあったりします。
大事なことは相手を知ること
いろいろなパターンがあるということは、大切なことは相手を知ることです。志望校の出題傾向を把握して対策を立てることです。志望校が決まったら、きちんと情報収集をしましょう。
共通する対策もある
共通する基礎的な対策もあります。原稿用紙(解答用紙)の使い方に慣れておくこと、常体(である体)の書き方に慣れておくこと、一定の時間で決められた文字数を書けるようにしておくことなどです。
縦書き、横書き
小・中学校での作文では原稿用紙に縦書きするのが普通でした。高校入試、大学入試の小論文では、横書きの場合も、縦書きの場合もあります。基本の原稿用紙の使い方は大きく違いませんが、数字などの使い方が変わってきます。
である体?
また試験会場で小論文の答案を書く場合は、特に指示されていない限り、常体、である体で書くのが、普通です。なかには「手紙」を書くことが指示されていて、敬体、です・ます体で書いた方がよい場合もあります。敬体・常体は同じ文章の中では、どちらかに統一します。
常体も小・中学校までの国語の授業の中でです・ます体しか書いたことがないと慣れが必要です。口語文法の「です」「ます」の助動詞を使わずに文章を書くということになります。
文字数
一定の時間で決められた文字数を書くというのは練習すればすぐできるようになります。その時に大事なことは下書きをするなどして、指定された文字数の中で十分な表現ができる解答内容にすることです。一般的には、たくさんの量を下書きして清書するときに削っていくことが良い答案を作るコツです。同じ意味の文でもより短い字数での言い回しにできるように練習することも必要です。
小論文は意見を書くものか
「小論文は意見を書くものだ」と説明する人がいますが、これはある意味間違いです。
意見を問われない形式もある
一つの理由は、上に書いたように小論文はいろいろな形式があるからです。また、例えば入試要項に小論文で「意欲・能力・適性等を総合的・多面的に問う」と書いてある場合は、「意見」や「論理構成」よりも、知識など他の点に評価の重点がある場合もあります。
これについては次回の記事で取り上げていきます。