スーパームーンで地震が起きる!? 14日、68年ぶりの大接近 東日本大震災の8日後にも同現象
夕刊フジ / 2016年11月12日 17時12分
昨年9月28日に観測されたスーパームーン=東京都江東区(夕刊フジ)
天体ファンならずとも、見逃せないイベントがやってくる。14日は月が地球に最も近づいた状態で満月となる「スーパームーン」で、天気が良ければ巨大な球体が夜空に現れる。今回ほど月が地球に近づくのは68年ぶりで、幻想的な現象が期待される一方、地震との関連性を疑う恐ろしい指摘もある。実際、3・11の直後にもスーパームーンは起きていたのだ。
晴れていれば、今世紀に入って最も大きな月が現れることになる。14日はスーパームーンと呼ばれる天体現象が起こる日で、月面に浮かぶ「餅をつくうさぎ」を見ようと楽しみにしている人も少なくないだろう。
月は地球のまわりを楕円(だえん)を描いて公転しており、2つの星の距離はその時々で変化している。そのため、地球から見える月の大きさも距離が近ければ大きく、遠ければ小さく見える。これがスーパームーンのからくりだ。14日は、今年最も遠く離れていた4月22日に比べて、約14%大きく見えるという。
月と太陽は地球の引力にも大きな影響を及ぼしており、それを端的に示しているのが潮の干満、つまり海面潮汐(ちょうせき)だ。地球と月、太陽の3つが直線で並ぶ新月と満月のころ、引力は最も強くなり、海は大潮を迎える。
夕刊フジで「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」(木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀・特任教授によれば、この引力と地震の関係はこれまで学会でもたびたび触れられてきたという。島村氏は「まだ、事例が少なく分かってない点が多い」と前置きした上で、次のように話す。
「実は陸上でも潮汐は起きている。私たちが体に感じないだけで、月と太陽の引力によって、地下の固い岩盤は30センチ程度浮き上げられているわけだ。月と太陽による引力そのものは、地震を引き起こすほど強いものではない。しかし、地下でひずみが発生し、地震が起こりそうになっている場所では、この引力が最後のひと押しになることは十分に考えられる」
さらに島村氏は、スーパームーンの状態について「通常の満月のときよりも、地球と月の距離が短いわけだから、それだけ引力も強くなる」と指摘する。
東日本大震災の混乱に紛れ、当時は大きく報じられることはなかったが、地震発生から8日後の2011年3月19日にスーパームーンを迎えていた。
島村氏は「今回ほど月が地球に近づくのは68年ぶりで、非常に珍しい現象だ」と話す。
大災害の「引き金」とならなければよいが。
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