EU 米との自由貿易交渉を凍結で一致

EU 米との自由貿易交渉を凍結で一致
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EU=ヨーロッパ連合の各国は、アメリカのトランプ次期大統領が自由貿易協定からの離脱を表明していることを受けて、EUとアメリカが世界最大の自由貿易圏の構築をめざして進めてきた協定の交渉を凍結せざるをえないとの意見で一致しました。
EU各国は11日、ベルギーのブリュッセルで貿易相会議を開き、EUが各国と進めている貿易交渉の進捗(しんちょく)について話し合いました。
この中で、各国はアメリカのトランプ次期大統領がTPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を表明するなど、保護主義的な通商政策を掲げていることを受け、EUがアメリカと進めてきた自由貿易交渉についても、交渉を当面、凍結せざるをえないとの意見で一致しました。
会議後の記者会見で、EUの通商政策を担当するマルムストローム委員は「次期政権の出方を待つしかない。EUとアメリカの自由貿易交渉はかなり長い期間、凍結せざるを得ず、再開できたとしても、その先の展開を見極める必要がある」と述べて、交渉の見通しがつかないことへの懸念をにじませました。
一方、日本とEUが年内の大筋合意を目指しているEPA=経済連携協定についてマルムストローム委員は、交渉は進展しているとしながらも、農産物の関税や政府調達などの分野で隔たりが残っているとして、年内合意の目標については「期限ありきではない」と述べ、粘り強く交渉する姿勢を示しました。