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【大相撲】

稀勢の里 年間最多勝&初Vに意欲

2016年11月12日 紙面から

「優勝を争う準備をしている」と気合を入れる稀勢の里(左)=福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で(志村拓撮影)

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 日本相撲協会は11日、九州場所の取組編成会議を開き、初日と2日目の幕内取組などを決めた。綱とり初挑戦の大関豪栄道(30)=境川=は初日に栃煌山、2日目は大関昇進を目指す関脇高安(26)=田子ノ浦=との一番が組まれた。秋場所全休の横綱白鵬(31)=宮城野=は隠岐の海、碧山の挑戦を受ける。年間最多勝争いで首位に立つ大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は福岡県大野城市の宿舎での朝稽古後に「優勝を争う準備をしている」と悲願の初優勝に向け、覚悟を示した。

 優勝なしでの年間最多勝は史上初−。不名誉にも響く珍記録を回避しようと、稀勢の里が静かに燃えている。報道陣に初の年間最多勝への意欲を問われると、「どっちにしても、優勝しないと話にならない」と賜杯とタイトルの両どりへ、語気を強めた。

 九州場所前までに挙げた57勝は、2位の横綱日馬富士を1つ上回る。安定感は誰もが認めるところだが、頂点に手が届かない。ことしは同じ大関の琴奨菊と豪栄道に初優勝で先を越された。秋場所の千秋楽、支度部屋で豪栄道の万歳三唱を横目に「力がなかった。何を言っても言い訳になる」と自虐的につぶやくしかなかった。

 現役大関で1人だけ優勝経験なし。そんな肩書の返上へ秋巡業は連日、稽古に励み「体はだいぶできている」と自信につなげた。「秋場所は初日でやられてるから」と苦い記憶にも向き合い、心身の甘さを拭い去ろうと必死だ。

 ほぼ1年間挑み続けた綱とりが白紙となって九州の土俵に上がる。「気負うことはない。集中してやるだけ」。“ノーマーク”を生かして無心で暴れ回り、賜杯をもぎ取りにいく。 (志村拓)

 

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